「ダウ3000ドル安」後の株価はどうなるのか

鍵を握っているのは安倍政権の政策ではない

今後の相場はどうなるのか。17日の日経平均もNY先物の動きなどを見ながら乱高下しているが、ここは日経平均株価よりも偏りが少ないとされる東証株価指数(TOPIX)で考えてみよう。16日のTOPIXの終値は1236ポイントとなり、2019年12月17日に付けた昨年来高値1747ポイントからの下落率は約29.3%に達している。

2008年のリーマンショック以降、「30%程度の下落」は今回で3度目。1回目は2011年2月から同年11月までで下落率27.6%(同年3月の東日本大震災の影響)。2回目は2015年8月から2016年2月までで下落率は29.3%(2015年夏からの「チャイナ・ショック」)。今回は直近2回の下落率を上回る可能性が出てきたことになる。

ただ、注目したいのは中国本土での感染拡大の沈静化傾向だ。中国の国家衛生健康委員会は3月12日に「感染のピークは過ぎた」との認識を示した。中国本土では2月上旬、連日3000人を超えるペースで新規の感染者が増えていたが、3月16日の発表で新たな感染者は湖北省で4人と、5日連続で1ケタにとどまり、減少傾向が顕著となっている。「当局の発表はうのみにできない」という向きもあるかもしれないが、中国本土で沈静化傾向が継続すれば、徐々にさまざまな規制も解除され、生産活動復調への流れも顕在化しそうだ。

中堅証券のストラテジストからは「日経平均株価が、短期間に連日のように1000円幅で下落し、その後に一時2000円近く急落するような相場はこれまで経験したことがない」という。

一方で「今回の暴落は確かに新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなってはいるが、アルゴリズムに基づくAI(人工知能)による株価指数先物主導の売買がより下落幅を増幅させている。いったん反転態勢に入れば、ファンダメンタルズに関係なく売り込まれ過ぎた反動で、比較的短期間に2万円近辺までの戻りもありそうだ。ただ、その後は東京オリンピック・パラリンピックの開催問題がネックとなるが、『延期』なら、株価への影響は限定的になるかもしれない」との見方も出ていた。

市場の期待はアメリカの財政出動の具体的内容

発生原因が国内か海外かなどで異なるものの、サプライチェーンの寸断や、自粛ムードによる個人消費後退など東日本大震災と新型コロナウイルス感染拡大による経済へのダメージの共通点は多い。

東日本大震災後の日経平均株価は、2011年11月から2012年11月まではほぼ底ばい状態で推移したが、2012年末の解散・総選挙で政権の座についた安部晋三首相が掲げたアベノミスクが評価され、株価はその後上昇トレンドに復帰した。

もし、政府が4月にとりまとめるとしている緊急経済対策の内容が、市場参加者の想定を超えるものであれば、株価上昇のきっかけとなる可能性もある。ただ、市場参加者の多くが株価反転上昇の起爆剤として最も期待しているのは、アメリカによる大規模な財政出動の具体的な内容だ。

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