日米の株価が「底値圏」に達したと言えるワケ 「底値」と「底値圏」は違うことに注意が必要

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それは「投資において最大の敵は、相場の急変動ではなく、自身の強欲だ」である。

また、当コラムの読者の方は、筆者の見通しが外れまくっていることは、すでに周知のことだろう。したがって、「馬渕さんが底値圏だと予想するのであれば、安心して株を売りまくろう」と喜んでいる方も多いだろう。そのような見解は、筆者は尊重したいと思う。

大多数の人が、ある専門家の見解にことごとく賛同する、という事態は、身の毛がよだつほど恐ろしい。市場の世界に限ったことではないが、「みんな違ってみんないい」。したがって、筆者は、見解が異なる方々を、自分に賛同するよう、説得する気は全くない。それぞれの方が、バラバラの見解を持って、ご自身の投資行動においても、大いに自由になさればよいと思う。

そうした読者自身の見解を構築するうえで、当コラムが、読者にとって、役に立つ「踏み台」になればうれしい。「馬渕さんの見解や分析は大変参考になるが、馬渕さんの結論には必ずしも合意しない」と考えていただけるのであれば、幸いだ。筆者をはるかに凌駕する、素晴らしい相場展望を、各自で構築していただきたい。

今週のマーケットはどうなるのか?

さて、余計なことも多々述べたが、今週の国内株式市況については、荒れ模様の展開が懸念される。

ただし、新型肺炎の流行に伴う経済活動の縮小により、大きく打撃を受ける中小企業や非正規労働者に対して、主要国で低利融資や所得補填などの手を打つ動きが進んでいる。

市場動向を見ても、株安や経済への警戒感を反映して大幅に低下していた米長期金利が、持ち直しており、産油国の減産合意決裂を受けショック安した原油価格も、落ち着いてきている。米ドル円相場も底固さを示している(円高が限定的)。

このため、今週の日経平均株価は、どちらかと言えば上に向かうと考え、1万7500~1万9500円を予想する。

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