日経平均株価は451円安、昨年来安値を更新 アメリカは依然不安定、なお警戒が必要か
[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落。前日の米国株式市場は急反発したほか、為替相場も円安に振れるなど好材料がそろったものの、時間外取引で米株先物が軟化したことにより売り優勢の展開となった。前場ではプラス転換する場面も見られたものの、終始さえない展開となり、日経平均は終値ベースで昨年来安値を更新。東証1部の売買代金は3兆1263億2200万円となり、商いは膨らんだ。
10日の米国株式市場は主要株価3指数が5%近い上昇を記録した。トランプ米大統領が、新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化を防ぐため給与税の引き下げなどの措置を検討するとしたことが好感された。為替のドル/円も105円台まで円安水準に振れるなど、不安ムードが後退した。
しかし、日経平均は反落スタートとなった。トランプ米大統領の給与税引き下げについては前日後半の戻りで織り込んでいたほか、朝方から時間外取引で米株先物が下落したことが嫌気された。注目されていた米国の経済対策の内容が具体性に欠けるものだったほか、米での新型ウイルスの感染者数の増加を受け米株先物は一段安となり、日本株にもマイナス作用し、日経平均は下げ幅を拡大した。
市場では「経済政策への期待が剥落したほか、米国での新型ウイルスの終息も見えてこない。米国株は乱高下を繰り返していて、今晩も1000ドル超の下落となっても不思議ではい。今晩の米株安が警戒されている」(みずほ証券・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)との声が出ていた。
そのほか、米大統領選の民主党候補者選びでバイデン前副大統領が指名獲得に前進していることも米国株先物の上値を重くしている、との見方もあった。「トランプ大統領はバイデン氏が一番手強い相手と認識しているようにみえる。ビジネスフレンドリーなトランプ大統領が民主党候補に地位を脅かされる可能性を市場参加者は嫌っているのではないか」(株式アナリスト)との声があった。
TOPIXも反落。東証33業種は、サービス業、不動産業、医薬品などの28業種が値下がり、電気・ガス業、ゴム製品、水産・農林業などの5業種が値上がりした。
個別では、アドバンテスト<6857.T>と東京エレクトロン<8035.T>が5%超安、SCREENホールディングス<7735.T>が6%超安になるなど、半導体製造装置が売られた。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が2020年の半導体前工程装置投資額を下方修正したことが嫌気された。新型ウイルス感染拡大を受け、中国市場で投資意欲が減退していることが響いた。
東証1部の騰落数は、値上がり393銘柄に対し、値下がりが1718銘柄、変わらずが54銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 19416.06-451.06
寄り付き 19758.26
安値/高値 19,392.25─19,974.83
TOPIX<.TOPX>
終値 1385.12 -21.56
寄り付き 1403.11
安値/高値 1,384.23─1,422.01
東証出来高(万株) 199632
東証売買代金(億円) 31263.22
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