東日本大震災9年、復旧鉄路はこれからが正念場

交通の全面復旧後は地域とともに「復興」を

三陸鉄道は現在、盛―久慈間を一体として運行している。写真は旧JR山田線を移管した区間に新設された八木沢・宮古短大駅=2019年3月(筆者撮影)

2020年3月11日で、東日本大震災から9年が経った。この災害では、千葉県から青森県に至る、700kmにも及ぶ沿岸地方が、主に津波で大きな被害を受け、公共交通機関も長い期間にわたって運転見合わせを余儀なくされる路線が数多く発生した。また、地震に起因する、東京電力福島第一原子力発電所の事故では、多くの町村で地域住民全体が避難せざるをえなくなり、常磐線も被害調査すらできない状況が続いた。

幸い、避難指示の一部解除により、この3月14日には常磐線で最後まで不通が続いていた富岡―浪江間の運転再開が予定されている。これにて、東日本大震災に関連した鉄道の長期運休路線は、すべて公共交通機関として復旧した。しかし、甚大な被害とその復旧費用は、いくつもの路線を震災前とは大きく異なる姿にしている。

運転再開後の方向性

復旧の経緯については、これまでにまとめられた記事も多いので、ここでは、運転を再開した後、被災地の「鉄道」がいかなる方向性で「復興」へと向かっていくのがよいのか。震災直後から現地の状況を定期的に取材してきた経験も踏まえて、考察してみたい。

常磐線最後の不通区間の北端にあたる浪江駅。全面復旧までは、このような仮設の設備が多用された(筆者撮影)

「被災鉄路」を、便宜的に、大船渡市―久慈市間の三陸鉄道となった区間、「BRT」化されたJR大船渡線・気仙沼線の区間、仙台市近郊の仙石線・石巻線および常磐線の原ノ町(南相馬市)以北、そして原発事故の影響を受けた常磐線のいわき―原ノ町間に分けて述べる。

次ページ各交通機関が連携しての地域振興に期待
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