700系引退「東海道新幹線」、車内設備の3大変化 「喫煙車」がなくなり、トイレは洋式に統一
東海道新幹線の車両の変遷を振り返ったところで、次に東海道新幹線の車内の設備で増えたモノを3つ見ていこう。
スマートフォンなどモバイル機器の高性能化で、今やビジネスパーソンのみならず多くの人が気にするであろう、車内コンセント設備。普通車客室内の乗客用コンセントとしては、初代0系から300系まではなく、700系から最前部・最後部のデッキ仕切り壁の一部のみ設置された。
N700Aでは最前部・最後部のデッキ仕切り壁と、窓側各席の壁にも設置された。このためコンセント付きを理由として窓側席を希望する人も増えた。
N700Sではついに全席コンセント付きとなり通路側でも安心して利用できる。JR東海によれば「車上電源設備の大幅な小型・軽量化により、編成での電源容量を確保できたため実現した」(東京広報室)という。ひじ掛けに設置するため、例えば窓側の人が通路に出る際コードが引っかかるなどの心配もない。
トイレは「洋式」に統一
初代0系では洋式トイレはグリーン車など少数だった。形式が新しくなるにつれ徐々に洋式トイレの割合が増え、N700Aからは男性用以外は洋式トイレのみとなった。一部和式トイレだった700系の引退により、東海道新幹線の車内トイレはすべて洋式に統一される。
また東海道新幹線車両における温水洗浄便座はN700Aの後期編成から採用され、N700Sの洋式トイレはすべて温水洗浄便座となる。
N700Sではデッキ部に「特大荷物」(3辺合計が160cm超250cm以内)向けの「荷物コーナー」が設置されるほか、今後N700Aも一部の洗面台を改造し同様に荷物コーナーを設置する。いずれも2023年度から事前予約制で運用開始する。
2020年5月からは、グリーン車を含め1編成あたり最大9カ所、客室内の最後部座席後ろを「荷物スペース」として設定する。導入後に特大荷物を同新幹線に持ち込む場合は、「特大荷物置場つき座席」を事前に予約のうえ、車内では指定された置き場に荷物を置く流れとなる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら