レトロな木造「嘉例川駅」は空港アクセス抜群だ 意外な「空港最寄り駅」で楽しめる旅の風情
具体的にはまだできていないとのことであるが、もし私が提案するのであれば、隼人駅や国分駅から路線バスのある日当山温泉でひと風呂浴び、徒歩で肥薩線の日当山駅に移動し、列車で嘉例川駅に向かい、鹿児島空港から帰るプランなど楽しいと思う。土・日・祝日には霧島周遊観光バスも運行されている。
また、同じ肥薩線にある大隅横川駅も魅力だ。嘉例川駅と同じ歴史を持つ木造駅舎の駅である。嘉例川駅と比べ知名度が低いが、柱に第2次大戦中の機銃掃射の跡が今も残っており興味深い。特急「はやとの風」も停車する。
私自身、昨年のV・ファーレン長崎戦のあと島原に宿泊、フェリーで熊本に出て、水俣から路線バスで旧山野線の跡をたどり、伊佐市の大口で鉄道遺構を見学したのち、再び路線バスで大隅横川駅に向かった。そして列車で嘉例川駅に出て空港に向かった。
どちらの駅も、嘉例川地区活性化推進委員会、大隅横川駅保存活用実行委員会がさまざまなイベントを行っている。3月末までは両駅ともひな人形の展示があるそうだ。
空港は早く着きすぎても手持ち無沙汰である。心ゆくまで古い駅舎を味わい、時間が来たらタクシーで移動すればよい。霧島市にある中村タクシーは、タクシーアプリにも対応しているので利便性もいい。
空港から徒歩7分の無人駅
■山口宇部空港
宇部山口空港は、JR宇部線の草江駅まで徒歩7分である。空港に降り立つと、草江駅までの案内板はあるものの、利用者はほとんどいない。小さな無人駅でもある。鉄道が好きなので毎回使っているが、駅まで歩いているのは大抵私1人である。
そもそも列車は1時間に1本程度、飛行機との連絡も考慮されておらず新山口駅まで約40分。それに比べてバスは飛行機の到着に合わせて出発し、新山口駅まで30分である。運賃はバスの910円に対し、JRは420円と圧倒的に安いが、利便性から誰もがバスに乗るだろう。
でも列車には風情がありますよ、と勧めたいところではあるが、宇部線は1両から2両程度の通勤型電車による各駅停車であり旗色が悪い。強いて言えばクモハ123という、荷物電車を改造した珍しい電車に当たる場合があるが、わざわざ乗りに行くべき程のものでもない。
けれども、周りは住宅街のこの駅、自転車置き場や小さな待合室に、人々の暮らしが感じられる。何か目玉はなくとも、見知らぬ土地で日常を感じる光景には惹かれるものがある。秘境駅もすばらしいが、人々の営みを感じる無人駅もいいものだ。
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