減速感強まる欧州経済と止まらないユーロ売り 次の焦点は「アメリカが利下げに動くのか」
日本では2019年10~12月期GDP(国内総生産)が大幅なマイナスに陥ったことや、これに連なる円安相場が話題となっている。ユーロ圏でも重要なハードデータの悪化とこれを受けたユーロ安が鮮明化している。日本同様、ユーロ圏(特にドイツ)は中国との関連がクローズアップされやすいだけに、その動きに要注意である。
ユーロ圏の10~12月期GDPも目を引く弱さだった。ユーロ圏全体の2次速報値は前期比プラス0.1%と1次速報値から横ばいとなったものの、前期比年率に関しては同プラス0.4%から同プラス0.2%と下方修正された。需要項目別の仕上がりは未公表だが、国別の動きは判明している。
ユーロ圏の3大国の失速
引き続きドイツの不調が目立っており、フランスやイタリアといったコア国もマイナス成長に陥るなど厳しい状況がうかがえる。過去3年間、ドイツ、フランス、イタリアの3大国で失速傾向は鮮明であり、こうした霧が晴れるのが2020年と期待されたのだが、新型肺炎の感染拡大を背景とする中国経済の急ブレーキの影響を考えれば、雲行きは大分怪しくなってきている。
年明け以降、各国の製造業PMI(購買担当者景気指数)や米国のISM景気指数など、企業センチメントの底打ちが鮮明化しており、ユーロ圏もその例外ではないという動きが見られていた。経験則に倣えば、ここから域内GDPの底打ちも期待できたはずだが、新型肺炎リスクを完全に織り込んだ企業センチメントは3月以降まで待たなければわからない。現状では、今後PMIが2番底をつけに行く過程でGDPも軟化するという展開に身構えざるをえない。
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