特急名「スーパー○○」はなぜ減っているのか 大半はJRの特急列車、一度付けると厄介に?
JRの特急列車以外でも「スーパー◯◯」と名乗る列車があるので、参考として紹介しておく。小田急電鉄では、特急ロマンスカーの列車名として1996(平成8)年3月のダイヤ改正で「スーパーはこね」が登場したが、これは特急ロマンスカーの停車駅見直しと合わせて小田急線内ノンストップの列車を「スーパーはこね」としたものだ。
JRでは特急列車以外にも「スーパー◯◯」と名乗る列車があり、2013年のダイヤ改正まで大船渡線を走っていた快速「スーパードラゴン」がその1つだが、九州の第三セクター鉄道肥薩おれんじ鉄道にある快速「スーパーおれんじ」とともに、ネーミングの意図が異なるのかもしれない。
また、JR貨物では佐川急便による貨物電車の「スーパーレールカーゴ」のほか、過去にはコンテナ列車の「スーパーライナー」や石油輸送列車の「スーパーオイルエクスプレス」といった名前もあったが、旅客列車の列車名とは性格が異なると言ってよいだろう。実は、「スーパーライナー」という名前が国鉄末期の1986年11月のダイヤ改正から使われているので、貨物列車を含めれば「スーパー◯◯」という列車名がJR発足以前からあった、ということになるだろうか?
新幹線にもあった「スーパー◯◯」
最後に、新幹線では「スーパーこまち」という列車名があったことを紹介しておきたい。これは秋田新幹線で車両の置き換えを行った際、新型のE6系を使用した列車に対して「スーパーこまち」と命名したもので、既存のE3系を使用した「こまち」とE6系を使用した「スーパーこまち」の2種類があった。E3系とE6系では設備や速度に違いが大きかったので、列車名を呼び分けて違いを明確にしていたわけだ。
「スーパーこまち」という名前は、2013年3月のダイヤ改正からE3系の置き換えが完了するまでの1年だけ使用され、2014年のダイヤ改正で「こまち」に戻されている。なお、秋田新幹線用のE3系は「こまち」から退いたものの、東北新幹線の「やまびこ」などで運用されているものが少しだけ残っていて、たまに遭遇して驚かされることがある。
思えば「スーパーこまち」は、「スーパー」が付く列車名が整理されて減る傾向の中で登場した最も新しい列車名でもあったが、「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」が7カ月強で消えたのに次いで短命な列車名だった。
山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」の命名が騒動になったように、モノやサービスに対して直感的にわかりやすく、しかもインパクトがあって覚えられやすい名前を付けるというのは困難が伴う。しかも、一度決めたものを変えるにも大変な手間がかかるのは列車でも同じことで、ネーミングというものは難しい。
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