世界2大鉄道メーカー「統合」、どうする日本勢? 3位が4位を買収、「3強」の構図崩れ勢力図激変

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鉄道メーカー世界3位のアルストムは同4位のボンバルディアの鉄道事業を買収すると発表した(記者撮影/編集部撮影)

世界の鉄道メーカーの勢力図が大きく変わろうとしている。鉄道車両製造の売上高ランキングで世界3位のアルストム(フランス)が、同4位のボンバルディア(カナダ)の鉄道事業を買収すると、2月17日に発表したのだ。

ランキングの1位は中国の複数の車両メーカーが統合して2015年に誕生した中国中車で売上高は約2.5兆円と断トツだ。2位シーメンス(ドイツ)、3位アルストム、4位ボンバルディアの売上高はいずれも1兆円程度で拮抗している。

この3社は総称してビッグスリーと呼ばれるが、アルストムとボンバルディアの統合で中国中車に迫る売上高2兆円メーカーが誕生し、ビッグスリーの構図は崩れる。

2021年統合を目指す

買収スキームはこうだ。アルストムはボンバルディアの鉄道事業を行う子会社「ボンバルディア・トランスポーテーション」の株式の100%を58億~62億ユーロ(6994億~7477億円)で買い取る。

ボンバルディア・トランスポーテーションの株主はボンバルディアのほか、カナダの年金基金「ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)」が株式を32.5%保有している。CDPQは株式売却額をそのままアルストム株式の購入に当て、同社株を18%保有する筆頭株主となる。同社に取締役を2人派遣する。

アルストムのアンリ・プハール・ラファルジュCEOは、「今回の買収でアルストムの世界展開がさらに進展し、鉄道業界のニーズにもさらに応えることができる」という声明を発表している。臨時株主総会や規制当局の承認を経て、2021年の上半期に買収を終えたい意向だ。

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