自衛隊の「不発弾処理隊」のスゴイ仕事っぷり 那覇駐屯地所属の処理隊は1日2回の出動も

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驚かされたのは、取材をした不発弾処理隊の隊員たちは全員、つねに危険と隣り合わせのこの任務に、自ら希望して配属をされているという点です。彼らは不発弾の処理にどのようなやりがいを感じているのでしょうか。

「犠牲者を出す前に不発弾を処理するという任務に誇りと喜びをもって従事している。各隊員共通して、その気持ちでやっていると思います」「現場で声をかけていただくことがあり、ありがたい。不発弾処理隊は毎日本番をやる部隊。日頃訓練をしているだけに現地の声はうれしい」

「達成感を感じるのは、班長が安全に完了という報告をもらったとき。2番目にほっとするのは、不発弾処理の看板をかけた車に、子どもたちがありがとうと手を振ってくれること。真剣な仕事が終わった後に、ありがとうはうれしいものですね。県民との笑顔のふれあい。この仕事を通じて深まるのがいちばん楽しいところかな」

住民に感謝されることがやりがい

住民に感謝されることがやりがいだと取材した全員が口をそろえます。災害派遣の現場で自衛隊の姿を目にする機会は多いですが、自衛隊員の日常というのは有事のための訓練がほとんど。任務を通じて国民とふれあうことはあまり多くありません。今はたとえ命をかける現場であっても、国民とのふれあいがある。そんな不発弾処理隊にやりがいと魅力を感じる隊員も多いということです。

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彼らは自分の仕事が評価してもらえる、ありがとうと言ってもらえる、それだけを喜びに、人知れずわれわれの平穏な暮らしを守ってくれているのです。彼らが「ボクたちこんなに頑張っているんです!」と前に出てくることはほぼありません。尊い仕事をされていますねと問いかけても、「黙々と仕事をするだけです」という実直な答えが返ってくるだけです。

その姿を見ると、冒頭に述べたような「自衛隊→戦争」といった連想には違和感を抱かずにはいられません。そんな気持ちもあって、拙著『「反権力」は正義ですか』でこの不発弾処理隊について扱った章のタイトルは「『軍靴の響き』ってもうやめませんか」としました。

彼ら・彼女らは「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め」と服務宣誓をしたうえで任務にあたっています。安全保障や防衛政策についてはさまざまな考えがあるでしょう。でも、どうかそのことは別として、日々私たちの安全を守るために危険を顧みず、黙々と作業をしている人たちがいることは知っておいていただきたいと思うのです。

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