新手のマルチ商法に60万円支払った学生の末路 SNS世代だからこそ陥る「キラキラ投稿の罠」

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しかも、仲間との楽しそうな写真や海外旅行、ぜいたくな食事などのリア充なキラキラ投稿は、ビジュアルでの説得力を持つ。儲け話に乗れば、自分にも仲間ができたり、お金持ちになれるという期待を覚えてしまうのも無理はない。

YouTuberに誘われてだまされる例もある。やはり顔と名前を出して発信している人を信用してしまう心理を悪用したものだ。SNSネイティブは、過去の投稿が多かったり、チャンネル登録者数や再生数、フォロワーなどが多いことで、相手のことを信用できると錯覚しやすい。しかし、再生数やいいね数、フォロワー数などは安価に購入でき、信用するための根拠にはならないことは知っておくべきだろう。

嫌われることを恐れず早く相談を

もしもだまされてお金を払ってしまった場合でも、クーリングオフが可能な場合がある。諦めずに消費者ホットライン「188」に電話したり、弁護士会の相談センター、大学の相談窓口などで相談してほしい。

だまされた若者たちのほとんどは、なぜ儲かるのかという実態や仕組みがわからないまま契約しているように見える。実態や仕組みがわからないもの、説明できないものには手を出さないほうが賢明だ。

また、多くの若者はオンラインやオフラインの友人、知人に嫌われることを極端に恐れる傾向にある。嫌われることを恐れて参加してしまう例も多いが、時には誘われても断る勇気を発揮することも大切だ。

若者たちには、心配なことがあったら、保護者や信頼できる年長者などに相談したり、評判を検索サービスなどで調べるなどして、悪質なマルチ商法にだまされないようにしてほしい。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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