日本でiPhoneの売り上げが「不振」に陥ったワケ 新型コロナウイルスがアップルに与える影響

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アップルは2020年、5種類のiPhoneを計画しているとも言われており、第1四半期にも廉価版iPhoneが登場すると見られる。廉価版のiPhoneは、1台当たりの平均販売価格は低下することになるが、ハイエンドスマートフォンが伸び悩んでいる市場環境において、iPhoneの販売台数を拡大させることは得策だ。

アップルは現在、サービス部門の成長拡大に力を入れており、2019年はニュース、ゲーム、エンターテインメント、そしてクレジットカードに至るまでサブスクリプションサービスを拡充させている。

アップルによると、2020年第1四半期決算時に、サブスクリプションサービス利用者は4億1800万件に上り、3月までに5億件、2020年末までに6億件を突破するとの見通しを披露した。iPhoneのアクティブデバイス数もまもなく10億に到達し、サービス部門の拡大はiPhoneが牽引していることがわかる。

「5G」で日本だけ取り残される可能性も

アップルは今回の決算で、中国市場の成長基調への回復をアピールした。後述の理由でその明るい材料は消失することになるのだが……。

アメリカ、欧州、アジア太平洋地域も好調な中、日本だけが9.9%の売上高減少に沈んだ。

日本市場でも、iPhone 11をはじめとした各モデルは好調で、販売ランキングでは上位を占めている。それでも1割減の要因について、アップルのCFO、ルカ・マエストリ氏は電話会議で次のように述べた。

「日本は規制の変更で厳しい状況となっている。2年契約を前提としたキャリアの値引きに制限がかけられた」

これは2019年10月の電気通信事業法の変更を指しており、過去のモデルも製造し続けている「在庫モデルが存在しない」iPhoneの販売が不利になっていることを反映するものだ。

電気通信事業法で値引きが制限されているのは、型落ち在庫ではないモデルのことで、すでに製造が終わっていて店頭に在庫があるモデルについては値引きの制限がない。iPhone 8は2年前のモデルだが、現在も製造が続いているため、型落ちの在庫モデルとならず、値引きが制限される対象になってしまっている。

2020年モデルのiPhoneには5Gモデルも加わると見られているが、インフラが整っても端末が対応しなければ5Gが利用できない。5G対応iPhoneの買い替え鈍化は、iPhoneのシェアが半数にのぼる日本の5G端末の普及を妨げる要因にすらなる。

世界を見渡せばiPhoneのシェアは15%以下で推移しているが、開発者はその開発コスト、収益性から、iPhoneからアプリを作り始める「iPhoneファースト」の傾向を崩していない。つまり5G時代ならではのアプリも、iPhoneからそろい始めることが予測される。

アメリカをはじめとした各国のモバイルキャリアは、4G同様、5G対応iPhoneの登場を、5G普及の旗印にしようとしている。

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