だからイヤ「的外れなアドバイス」が地獄な理由 無礼かどうかはあくまで「された側」が決める
無礼な扱いを受けたことを誰かに相談するとよく、「つまらない愚痴を言うな」「細かいことを気にするな」「たいしたことじゃないだろう」「もっと大事なことを考えろ」などと言われることがある。
もちろん、こういう助言であっても、あなたが前へ進む助けになるのだとしたら、有用だと言えるだろう。
しかし、どれも本当は的外れな助言である。まず、人は生まれつきそれぞれに違っているというのを忘れていることが問題だ。誰かの行動が無礼かどうかは、あくまで「された側」が決めるのだ。
無礼な態度が、その標的になった人にとってどのくらいストレスになるかは、立場の上下によっても大きく変わる。自分より上の立場の人に無礼な態度を取られた場合、これまでの調査では、全体の3分の2近くのケースで、同等からそれ以下の人に同様のことをされた場合よりもストレスが強くなるとわかった。
また上司の命令や、会社の方針により、無礼な同僚とともに働くことを強制された場合には、絶望感が強くなることもわかっている。
マウスを使った実験、または人間を対象にした実験では、ストレスのかかる状況に直面したとき、自分の力でその状況を変えるのが難しい場合に、苦しみはとくに大きくなることがわかった。自分で何もできないという絶望感との戦い方が重要になる。