2022年にIPOショックが来るかもしれない IPOとスタートアップ企業の動向は?

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北野:資金の出し手の変化はありますか?

前田:大きく変わってきています。ベンチャーキャピタルが抱えるファンド規模は大きくなっていますが、それは一般の事業会社がかなりお金を入れていることが大きいと言えます。これには大企業が、直接出資も含め、どんなスタートアップがどんな技術を開発しているか、といった情報収集を目的にしている側面も小さくないようです。

2022年に「IPOショック」が来る?

前田:一方で、市場は2012年頃から活発になってきたわけですが、ファンドの満期は10年とも言われており、2022~2023年ごろにはIPOができずに困る企業もかなり増加すると思われます。マーケットでは日本のIPOは年間100社程度と言われてきましたが「年間200社くらいIPOがないと、とても資金回収できない」と嘆く大手証券会社もあるくらいです。

もしIPOができない場合は、代わりにM&Aが増えることになりそうですが、いずれにしても2022~2023年にはこうした話が顕在化しそうなため、私は「2022年ごろにIPOショックが起きるかもしれない」と言っています。

北野:IPOの環境は基本的には良好な状況が続きそうですね。ただ、2017~2019年の過去3年間は「先行きの景気が不透明なら、景気に関係ない成長企業にお金を投資しよう」という流れでした。

しかし、当時よりは景気底割れ懸念が薄れ、今は「割安株などのほかの選択肢もあるのでは」という流れになっています。IPOに魅力がなくなったのでは決してありませんが、そうした流れは押さえておくべきでしょう。

東洋経済 会社四季報センター
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