幼児の英語がたった1年で劇伸びする本質理由 ポイントは英語の"リズム回路“にあった

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また、視覚教材よりもやはり音声教材をオススメします。

かけ流し教材は、慣れてしまえば聞き流すことができるようになりますが、視覚情報はなかなか聞き流すことができません。さらに、映像は、数回から10回以上、あるいは20回も見ると飽きてしまいますし、アニメなどは音声のみの教材に比べて、入力内容が乏しい可能性が低くありません。音に注意してアニメを見てみるとわかりますが、音楽や効果音などがとても多く含まれていることに気づかされます。

また、アニメなどの特徴として映像から情報が伝わるので、わざわざ言葉にして表現しなくても済んでしまうという点でも問題を孕んでいます。

音声の入力で避けたい3つのポイント

音声の入力に関して、あといくつか注意点を述べておきます。

第一に、反応を求めないことです。英語の音声を子どもが喜んで聞くことはまれです。あくまでBGMとしてかけ流すことで、「リズム回路」を身につけさせるのが目的です。子どもが喜ぶことが目的ではないので、気をつけましょう。

第二に、学習効果を求める余り、 子どもにリピートさせる親御さんもいますが、これもよくありません。繰り返しますが、「入力」されればよいので、この段階で「出力」する必要はないのです。

もちろん、子どもが聞いた内容を自然と口にするのは構いませんが、リピートなど出力させることによって、自然な獲得ではなく「お勉強」という意識が働いてしまうことになり心理的ブレーキをかけてしまう危険性もあります。

最後に、これは重要なことですが、日本語を入れないことです。

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たとえば、'strawberry' という音声を、まずはかけ流しで入力します。あとはフラッシュカードで 'strawberry' の絵も見せます。それで、 'strawberry' の「語彙化」は完了です。これ以上は何も必要ありません。「'strawberry'はいちごよ」と日本語を添えるのが、これまで慣れ親しんできた「間接法」ですが、それでは英語は身につきません。

赤い三角錐状の果物の絵に 'strawberry' という音が対応するのが英語の回路であり、日本語を介さずにその回路を作るのが直接法です。そこに日本語が入る余地など本来ないのですから。

幼児期に直接法で英語を身につける子たちは、英語を英語として身につけているので、彼らの中で英語が日本語と対応していないことが珍しくありません。

つまり、英単語を見せて、「どういう意味?」と聞いても、もちろん意味はわかっているものの、日本語訳を答えられないことが多いのです。

ちなみに、子どもから「どういう意味?」と聞かれても「さぁ」と答えておけば結構です。「ママにはよくわからない。どういう意味だろうねぇ」と答えておくことで、母語と同じように英単語を自然と「語彙化」させることが可能となるのです。

船津 洋 児童英語研究所代表取締役所長

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ふなつ ひろし / Hiroshi Funatsu

1965年生まれ。東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業(言語学専攻)。高校時代に米国に留学し4カ月で英語をマスター。カンザス州の大学などでも学ぶ。帰国後、右脳教育の第一人者・七田眞氏に師事し、同氏が設立した児童英語研究所に入社。以来30年以上にわたり、幼児教室や通信教育などの教務を通じて子どもの英語教育と発達研究に携わる。1999年には同社の代表取締役所長に就任。累計で10万組以上の親子に対して、バイリンガルに育てるための指導を行っている。最新刊は『10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法』(かんき出版)。

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