メーガン妃のダメ父に同情が集まる意外な理由

娘や孫への「愛している」さえ伝えられない

出席できなかった結婚式から1カ月後、トーマスさんはイギリスの民放の朝の情報番組「グッドモーニング・ブリテン」に出演し、ヘンリー王子の政治的発言(トランプ米大統領を支持しないなど)を紹介するとともに、式に出席できなかったことで自分が「歴史の些細な一コマ」になってしまったことを残念そうに語った。ちなみにだが、イギリスの王族は政治的姿勢を公にすることは許されていない。

翌7月、今度は日曜大衆紙「メール・オン・サンデー」の長時間のインタビューに応じ、娘と音信不通状態になっていることを暴露した。「娘は私を完全に切ってしまいました。とても傷ついています」。さらに「メーガンや王室にはもう我慢がなりません」「いなくなってほしいと思っているんですよね、でも黙ってはいませんよ」。そして「今のメーガン妃があるのは、私がいたからなのに」と続けた。

これだけでも普通では考えられないほどの異例の行為だが、極めつけは、メーガン妃が父親あてに書いた「お願いだから、もうメディアにあることないことをしゃべるのやめて」と懇願する手紙(2018年8月)を、トーマスさん自らが新聞社に持って行ったことだ。昨年2月、手紙の一部がメール・オン・サンデー紙に掲載された。同年秋、メーガン妃は「私的な手紙を違法に出版した」として同紙を提訴している。

90分にわたるインタビュー番組の反応は

チャンネル5の取材班は、トーマスさんのメキシコにある自宅を訪れた。海岸沿いに面し、波の行き来が見渡せる場所に立つ複数の家の1つだ。取材の大部分は2018年に行われた。

水色のシャツに小さなマイクを付けたトーマスさんは、自分が撮影した多くのメーガン妃の写真や動画を見せながら、質問に答えた。生まれた時からメーガン妃を心から愛し、11歳から18歳まで一緒に暮らしたというトーマスさん。「これほど仲が良かった父と娘がなぜ不和になったのか」「なぜ娘を傷つけるのか」。そんな疑問が視聴者の心に渦巻いたに違いない。

すべてが変わったのはヘンリー王子とメーガン妃との交際が始まってからだ。

交際開始から間もなくして、イギリスの大衆紙の取材攻勢にあい、おろおろしたトーマスさん。「メディアに話しかけるな」というヘンリー王子夫妻のアドバイスは正しかったが、日々の行動のアドバイスや娘が王室に入るとはどういうことか、家族はどう振る舞えばいいのかを教えてくれる人はいなかった。

結婚を決めた二人がトーマスさんに電話をかけてきた。ヘンリー王子は電話口でメーガン妃との結婚の許しを求めてきた。「娘に絶対に手をあげないで」とトーマスさんは王子に頼んだという。

しかし、外国の、それも王室という特殊な世界に最愛の娘を嫁がせようというとき、なぜヘンリー王子はジェット機で飛んで父に会いに来なかったのだろう?あるいは、王室の関係者をメキシコに送り、テレビ電話を設定したりできなかったのだろうか?

「なぜ、独りぼっちにさせておいたのかな」。トーマスさんがぽつんと言った。結婚式のときに、メーガン妃の母親が教会内で一人で立っていた様子が画面に映し出された時のことだ。トーマスさんが出席していれば、隣に立ったのかもしれないが、それにしても、「王室側に配慮が足りなかったのではないか」ということをトーマスさんは言いたいのである。トーマスさんはメーガン妃の母親とすでに離婚しているが、「元夫」だからこそ、気づいたのかもしれない。

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