ビジネスモデルとコース料理の意外な共通点 熱心なビジネスパーソンが陥る「わな」の正体
・パターン適合アプローチ
3つ目のアプローチは、異国や異業種のビジネスモデルの構造をパターンとして読み取り、それを自らの業界に移植しようとするもので、アナロジー(類推)によるパターン適合と呼びます。
アナロジーとは、「2つの物事に共通点があることを認めたうえで、一方の物事に見られるもう1つの性質が他方にもあるだろうと推論すること」(日本大百科全書)です。
例えば、コンビニのおにぎりのように日々傷んでいく商材を扱うためには、少しずつ作って少しずつ売り足す仕組みが必要だということから、同じく、毎週陳腐化するファッションアパレルを扱うにも、同様の仕組みが有効だと推論することです。実際、日本のファッションアパレル企業の中には、セブン-イレブンを参考にしながら、追加生産・追加補充のビジネスモデルを構築したものもありました。
異国、異業種、あるいは過去のビジネスモデルを「お手本」のベースとすれば、自らの国、自らの業界、そして現代でも、同じような事業の仕組みが再現できるかもしれません。三木谷浩史さんも、織田信長が築き上げた「楽市楽座」をヒントに楽天市場のビジネスモデルを築き上げましたといいます。インターネットが空間的な制約をなくし、新たな時代の楽市楽座を生み出すきっかけとなると考えたのです。
パターン適合アプローチ5つのステップ
このアプローチの手順は、ビジネスモデルにおいて矢印で示せる関係性を自分の世界に持ち込んで具体化していくというものです。以下の5つのステップになります。
② 異国や異業種でよく似た状況で課題を解決した「お手本」を探す
③ その「お手本」を箱と矢印で結ばれた関係として描く
④ 「お手本」を自らの業界に移植して、その関係を再現する
⑤ 適合させつつ修正し、具体化していく
この一連のプロセスで、ビジネスモデルのパターンが「型」として示されていれば、アナロジーは容易になります。「サブスクリプション」「マッチング」「フリーミアム」という型の中から「お手本」にできるものを選び、それを再現すればよいからです。
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