絶好調の建機業界、勢いはどこまで続くか 2013年度の出荷金額を上方修正

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国内中心に絶好調の建機業界だが、2014年度は駆け込み需要の反動減が影響するのは間違いない。建機工業会も2014年度の国内出荷金額を8015億円(今期比8.2%減)と予想している。

ただ、「反動減があったとしても、8%も落ち込まず、3~5%程度にとどまるのでは」と見る証券アナリストもいる。

高い建機の稼働率

理由はレンタル会社の建機の稼働率。例年1~2月は稼働率が低い時期にもかかわらず、今年は各社とも高い状態が続いている。

レンタル大手のカナモトは、前期(2013年11月期)に例年の1.5倍程度の建機を購入した。それでも、「買った分だけ、貸している状況。今は中古機の売却も抑制している」(同社幹部)。別の大手レンタル会社幹部も、「そろそろ出口戦略(保有する建機の数の調整)を考え始める時期だが、それでは機会ロス。さらなる機材購入も考えている」と明かす。

今後、2020年の東京五輪に向けたインフラ投資による建機需要の拡大も見込めるため、「駆け込みで一気に入ったことを加味しても、(国内の建機の)数は過剰になっていない」と建機工業会の竹内紀行会長(キャタピラージャパン社長)は話す。

建機工業会が発表した、2014年度の建機全体の出荷予想額は今期比1.8%増の2兆0650億円。回復が続く輸出販売の伸びで、国内の落ち込みをカバーする見通しを立てている。ただ、国内の需要が底堅いことを考えると、上方修正する可能性もありそうだ。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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