氷河期世代「6つの図解」で読む本当に正しい姿

問題をあおるより、冷静で着実な支援が必要だ

では、氷河期世代の問題はなくなったのかといえば、もちろんそうではない。若年者の就業状況を長年研究してきた労働政策研究・研修機構の堀有喜衣・主任研究員は「団塊ジュニアを含む氷河期世代では、非正規雇用者数のボリュームが大きいこと、正社員といっても賃金などの条件がほかの世代より悪いことが課題として残る」と指摘する。

正社員の賃金水準を見たのが上図2だ。氷河期世代の年収は、10年前、バブル世代が同じ年齢だったときと比べ、40万~80万円少ない。就職難だった氷河期世代は、相対的に賃金の低い中小企業への正社員就職が多かったためと考えられる。

氷河期世代のフリーターは減り続けている

今回の政府の支援策では、地方・中央官庁での氷河期世代限定の正規職員採用の動きが広がっている。現在のところ、大企業での動きは非常に鈍いが、今後、中小企業以外でも中途採用が広がることで、氷河期世代の正社員の年収改善が期待されるところだ。

先ほど、過去10年にパートで働く氷河期世代の専業主婦が増えたと述べたが、こうしたパート主婦を除けば、氷河期世代のフリーターは急減している。それを示したのが上図3だ。一方で、上図4のようにニート(非求職無業者)は景気拡大にもかかわらずむしろ増えている。

就業希望のあるニートの49%は、求職活動をしない理由を「病気・ケガのため」と答えている。ひきこもりの3割強は精神疾患を持つという別の研究結果とも符合する格好だ。

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