「イクメン」進次郎、安倍後継レースから脱落か 育休宣言に批判、環境相の実績にも疑問符
小泉氏は環境相として「本業の環境行政では目立った実績をあげていない」(政府筋)のは否定できない。2019年12月の第25回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP25)では、地球温暖化対策を妨げているとして国際環境NGOが日本に期間中2度、化石賞を授与したが、 その理由は小泉環境相がCOP25の場で「地球温暖化対策での石炭火力削減策では思い切った提案をできなかった」からだとされる。
その小泉氏は仕事始めの1月7日、テレビ電話を通じて環境省職員らに年頭の訓示を行った。職員の移動や待機時間を省くため、小泉氏の発案で実現したもので、与党内からは「これが環境相として初の実績」(閣僚経験者)との声も出た。
小泉氏は訓示の中で、業務効率化の重要性を強調し、「打ち合わせなどにはテレビ会議やメールを最大限活用するとともに、副大臣や政務官に代わりに公務に出席してもらうことも検討している」と語ったが、これも「育休宣言の布石」(自民幹部)と揶揄されている。
結婚後は「妻ファースト」の毎日
そうした中、イギリスのタイムズ紙は1月2日付の「2020年の世界をつくる『注目株の20人』」の1人に小泉氏を選んだ。ただ同紙は、「(小泉氏は)自信に満ちた態度で、いかにもお金をかけていそうな髪形をし、華やかな結婚相手がいる」との紹介と合わせて、「リベラル志向のクールなオーラを維持しながら、保守的な政権で権力を握った抜け目ない政治家」などと皮肉交じりに評し、「今年は彼が試される1年になる」と結んでいる。
2019年夏の結婚後から小泉夫妻の日常生活を追い続ける有力週刊誌などは「小泉氏にとっては、妻ファーストの日々だ」(編集幹部)と指摘する。小泉氏は結婚後も基本的には東京・赤坂の議員宿舎住まいだが、いわゆる新婚生活は妻の滝川さんが独身時代から暮らすマンションが中心とされる。議員宿舎は動物の飼育が禁止されているため、毎日愛犬の世話をしている滝川さんと過ごすには妻の自宅しかないからだ。
さらに、横須賀の実家への出入りも、「年末年始は極めて限られていた」(関係者)とされる。「『横須賀には住まない』という滝川さんの意向を尊重した」(同)のが理由とみられている。大臣として初の年越しも妻の自宅で、「滝川さんの家族に囲まれた、マスオさん状態の大晦日」(同)などと報道されている。
こうしてみると、小泉氏への注目度はまだまだ高く、「取り上げれば視聴率も稼げる」(民放テレビ幹部)。ただ、入閣前と違って「『政治家・小泉』ではなく、『タレント・小泉』としての言動ばかりが取材対象となっている」(小泉氏周辺)のも事実。政界での口さがない向きは「今の状態は、結婚や出産を切り売りしている芸能人と同じ」(閣僚経験者)と突き放す。
たしかに、ここにきて中央紙などが小泉氏の言動を報道する際は、政治面ではなく、社会面などでの囲み記事が多い。「メディアは小泉氏の環境行政での活動にはあまり興味がない証拠」(自民長老)で、「当面注目されるのは、閣僚としてのイクメンぶり」(同)となることも間違いない。それだけに、小泉氏に課せられた「ポスト安倍もにらんでの天才子役から成熟した大人の政治家への脱皮」(自民幹部)という道筋は、簡単にはひらけそうもない。
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