中国全人代が国有企業改革審議へ シノペック(中国石油化工)の資産売却が号砲に
[北京 4日 ロイター] -中国が先月、中国石油化工(シノペック)<600028.SS><0386.HK>の一部権益を売却すると決定したことは、国有セクターの一段の民営化が近いうちに進むことを示唆している。5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)でも国有企業改革が審議される見通しだ。
アジア最大の石油精製企業であるシノペックは2月20日、マーケティング部門の最大30%を売却すると発表。詳細については明らかになっていない。
昨年11月に開催された共産党第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)で習近平国家主席(党総書記)が経済改革計画を明らかにして以来、大型の再編計画が発表されたのは初めて。習主席は、国有企業に対する民間資本の受け入れ拡大を約束している。
シノペックを含む国有企業113社を直接統括する国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)のアドバイザーを務める張春暁氏はロイターに対し、「完全な混合所有に向けた改革(機運)は石油や石油化学、電力、通信といった分野で高まるだろう」と指摘。「国有企業は外資を含めた大口の戦略的投資家を引きつけようとするだろう」と述べた。
一方、安全保障に関係する企業やエネルギーの上流部門、運輸、港湾といった主要セクターは政府が引き続き管理するだろうとの見方を示した。
国営メディアによると、国有企業改革や民間資本の導入が全人代で審議される予定。
中央政府が管轄する国有企業の傘下企業をみると、2012年末までに378社が世界の株式市場に上場している。省など地方政府が管轄する企業では、昨年末までにこのほか681社が上場を果たした。
市場での支配力が大きい大型国有企業をめぐっては、無駄や腐敗を通じて経済効率を損なっているとの批判が出ている。また、国有企業は銀行融資総額の35%超を占め、低いコストで優先的に資金調達できることへの不満も噴出している。
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