「テレビが取材に行く」お店には共通点がある 渾身のプレスリリースがゴミ箱行きになる訳
こうしたタイトルのプレスリリースは、速攻で捨てられる運命にあります。なぜなら、公共の電波を使って放送されるテレビ番組における「情報」は、視聴者に役立つものでなければならないからです。そのため、こうした一方的な告知や宣伝がそのまま放送されることは決してないのです。
タイトルが違うだけでも採用される確率が劇的に変わる
もちろん、テレビ局に送られてくるプレスリリースが、宣伝や告知目的であることを、テレビマンは重々、承知しています。しかし、「視聴者にとって有用な情報」がまったくなければ、テレビ番組で紹介することができないのです。
では、どんなタイトルならばテレビの中の人にちゃんと読んでもらえるのでしょうか。
すべての問題は「切り口」と「伝え方」にあるのです。例えば―――
「株式会社A、豪州から水産物輸入~◯◯◯社と業務提携で」
こうしたタイトルであっても、内容が番組の視聴者に役立つものであれば、そこを強調したタイトルに変更すれば、十分、取材される可能性がでてきます。
実際に、このプレスリリースの本文をよく読んでみると、業務提携した「◯◯◯社の新しい冷凍技術により豪州産マグロ(ミナミマグロ)を今より約3割安く輸入できる」とあります。そうであれば、「激安ミナミマグロが豪州から初上陸」とうたったほうが、視聴者にとって役立つ有用な情報であることが伝わり、テレビマンも採用したくなります。
「×××株式会社、デジタル複写機の生産拠点を中国からベトナムに移転」
こうしたタイトルにしても、同じくベトナムに移転したほかの企業を例に挙げて「製造業が今、ベトナムに注目する意外な理由」といった公共性のある切り口をタイトルで打ち出して、本文でベトナムの魅力をさまざまな角度で紹介すれば、ベトナムロケに行きたくなったディレクターが手を挙げるかもしれません。
「晴れバレ岡山2020 夏の陣を7月15日より開催」
これも、よく読めば、夏フェスの目玉グルメとして「岡山の白桃やマスカットを使用した高さ50センチの“天空のパフェ”を提供」とあります。だとしたら、それをタイトルにしてアピールした方が効果的です。パフェの写真も添付すれば、取材の確率が一気に高まることはいうまでもありません。こうしたタイトルは、本当にもったいないと言わざるをえません。
テレビ番組には1日に100通以上のプレスリリースが届きますから、すべてを最後まで読んでいたら、仕事になりません。ですからタイトルと、せいぜいその下のリード文で判断するのが実態です。
テレビ番組向けのプレスリリースは「タイトルが9割」と考えてください。タイトルの1行で、テレビマンに興味を抱かせ、リードや本文へと誘うのです。
最終的には、より詳しい情報を載せたホームページに誘導することが、今どきのプレスリリースの目的です。しかし、入り口でつまずいていては元も子もありません。宣伝はあくまで結果。まずはテレビ番組に情報として取り上げられやすいタイトルをしっかり作り込んでみてはいかがでしょうか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら