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目指すは「日本最速」、JR東海ハイブリッド列車 試験運行を開始、2022年度の営業投入目指す

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高速走行には当然ながら多くの電力が必要となる。カギを握るのは蓄電池の充放電が高頻度で繰り返される高負荷に耐えうる蓄電池自身の性能と大本の発電性能だ。そこでHC85系ではハイブリッド鉄道車両として国内最大容量の蓄電池を搭載。発電機、モーターにも高効率の永久磁石同期方式のものを国内初搭載している。

電車に比べ、ディーゼル車はどうしてもエンジンの騒音や揺れ、排ガスのにおいなど、利用者目線でのデメリットが多い。保守面でもエンジンの回転エネルギーを変速機、推進軸を介して車輪に届けるために複雑な部品や回転部品が多く手間がかかる。

HC85系はキハ85系で2機搭載していたエンジンを1つに減らすことができ、駅停車中にはアイドリングストップして騒音、排ガスともに低減。加速時や停車時など蓄電池の電力を有効活用することで従来よりも約15%の燃費向上を図っている。

運転免許はどうなっている?

鉄道車両の運転免許は車両の駆動方式などから細かい区分があり、気動車と電車の免許は別々の資格となっている。しかし、ハイブリッド車両の場合、気動車、電車の免許保有者ともに、お互いに足りない部分(電車ならエンジンの機構、気動車ならモーターなどの知識など)の補完教育を受ければ運転可能なため、乗務員運用についてもより自由度が広がる。

HC85系でとくに目を引いたのが車体に書かれた形式の表記だ。通常、ディーゼル車の場合は「キハ85系」のように気動車を表す「キ」から始まる。ところがHC85系は電車を表す「モ」(モーターのモ)が採用された。

これは、発電用エンジンや蓄電池の機構を除けばほぼ電車のシステムと同じことと、ハイブリッド化による電車のメリットを十分に生かせる車両にしたいという思いから採用された。「85系」を継承した点については、JR東海発足後初の新型車両として登場したキハ85系から、技術革新したハイブリッド方式の新しい85系を目指すという思いが込められている。

日本最速のハイブリッド車両を目指すHC85系の全貌

  • HC85系(左)とキハ85系(右) HC85系(左)とキハ85系(右)
    (筆者撮影)
  • HC85系に搭載されている永久磁石同期発電機 HC85系に搭載されている永久磁石同期発電機
    (筆者撮影)
  • 1両あたり36個搭載されるリチウムイオン2次電池 1両あたり36個搭載されるリチウムイオン2次電池
    (筆者撮影)
  • シンボルマークはスピード感と沿線の色をモチーフ シンボルマークはスピード感と沿線の色をモチーフ
    (筆者撮影)
  • 発電用エンジン取り付け部は2重防振構造を採用 発電用エンジン取り付け部は2重防振構造を採用
    (筆者撮影)
  • 蓄電池が搭載されている床下機器 蓄電池が搭載されている床下機器
    (筆者撮影)
  • 台車に搭載されているモーター 台車に搭載されているモーター
    (筆者撮影)
  • 動物との接触に備え先頭部にクッション性がある素材を採用 動物との接触に備え先頭部にクッション性がある素材を採用
    (筆者撮影)
  • 行き先の表示器はフルカラーLEDで視認性を向上 行き先の表示器はフルカラーLEDで視認性を向上
    (筆者撮影)
  • デッキ部、客室部には監視カメラも搭載 デッキ部、客室部には監視カメラも搭載
    (筆者撮影)
  • オストメイト対応の大型トイレ。擬音装置も搭載 オストメイト対応の大型トイレ。擬音装置も搭載
    (筆者撮影)
  • 大型荷物の収納スペース 大型荷物の収納スペース
    (筆者撮影)
  • ワンハンドルタイプの運転台 ワンハンドルタイプの運転台
    (筆者撮影)
  • 車内の表示器も大型で見やすい 車内の表示器も大型で見やすい
    (筆者撮影)
  • 肘掛部に搭載された電源コンセント 肘掛部に搭載された電源コンセント
    (筆者撮影)
  • 天井はLEDの硬い光質を柔らかく拡散するデザイン 天井はLEDの硬い光質を柔らかく拡散するデザイン
    (筆者撮影)
  • 構内走行時には珍しい新車に橋上からカメラを構える姿も 構内走行時には珍しい新車に橋上からカメラを構える姿も
    (筆者撮影)
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  • HC85系(左)とキハ85系(右)
  • HC85系に搭載されている永久磁石同期発電機
  • 1両あたり36個搭載されるリチウムイオン2次電池
  • シンボルマークはスピード感と沿線の色をモチーフ
  • 発電用エンジン取り付け部は2重防振構造を採用
  • 蓄電池が搭載されている床下機器
  • 台車に搭載されているモーター
  • 動物との接触に備え先頭部にクッション性がある素材を採用
  • 行き先の表示器はフルカラーLEDで視認性を向上
  • デッキ部、客室部には監視カメラも搭載
  • オストメイト対応の大型トイレ。擬音装置も搭載
  • 大型荷物の収納スペース
  • ワンハンドルタイプの運転台
  • 車内の表示器も大型で見やすい
  • 肘掛部に搭載された電源コンセント
  • 天井はLEDの硬い光質を柔らかく拡散するデザイン
  • 構内走行時には珍しい新車に橋上からカメラを構える姿も

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【デザインはどうなっている?】

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