「愛車の一時交換サービス」は日本で普及するか 物々交換式カーシェアに輸入車販売店も注目
一方、カローゼットは会員が所有する車を皆でシェアして使おうという、いわば「共利用型」で第3のシェアリングモデルといえる。会員のニーズに応じて、メーカー、タイプ、デザイン、カラー、装備などが違う車を会員間で一時的に交換する。普段コンパクトカーに乗っている人が大人数で移動する時に3列シートのミニバンと交換するのが一例だ。
内藤社長自身、家族でスキーに行く際、年に1回しか行かないのにスタッドレスタイヤを買うのは非現実的と考え、冬場に雪山によく行く弟からスタッドレスタイヤを履いた車と自分の車を一時的に交換したことが、このサービスを考え出したきっかけだったという。
電通の調査では、自家用車を保有していても、座席数や荷室のサイズ、装備がネックとなって困った経験があるユーザーが4割程度いて、カローゼットでは潜在的なビジネスチャンスの掘り起こしを狙っている。
事故をした場合はどうなる?
他人の車を借りるうえで最も懸念されるのは事故だろう。カローゼットでは、会員の安心・安全に重きを置き、会員資格を厳格化している。車の所有者であることはもちろんのこと、借りた車で事故を起こしたときも補償される「他社運転特約」付き自動車保険の加入者に限っている。
仮に事故が起きた場合は借り手が加入している自動車保険で車を修理するため、貸し手の 自動車保険を使わなくて済み、貸し手の等級にも影響しない。また、自身の車に傷がある場合はあらかじめ撮影してアプリに写真を登録しておくことを会員に求めている。
貸し借り時には利用者間で免許証などを用いて、対面で本人確認を行うため、プライバシーを一定程度開示する必要もある。「プライバシーの開示を許容できない方には利用は難しいかもしれない」(内藤社長)。一方、「対面でやり取りするほうが安心できる、乗り慣れていない人に貸す時のような不安はないという声もいただいている」(同)という。
アプリには、貸し手が借り手を評価する仕組みもあり、駐車違反やスピード違反などは悪い評価に直結する。内藤社長は「悪い評価がつくと次に車の一時交換をしてもらえなくなる。時間をかけて自浄作用が生まれていく」と話す。
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