トヨタ「新型カローラ」受注2万台を超えた意味 見え隠れするロイヤルカスタマー離れの予兆
2万2000台の内訳は、4ドアセダンが約5400台、ステーションワゴンが約1万3700台、カローラスポーツが約3000台となっている。そのうち、4ドアセダンとステーションワゴンの購入者の約4割は旧カローラからの代替であり、残りの6割がほかの車種や他銘柄からの乗り換えとなっている。
より大柄な車種からのダウンサイジングの意向を持つ人もその中にあるようだ。この先トヨタは、より若い年齢層や新規顧客の開拓に期待をかけているようでもある。
長く選ばれるクルマであるために
昨年、発売されたカローラ スポーツを含め2万2000台という衝撃的な受注台数は、顧客層が変わっていくことを示しているのではないか。しかし、「もっといいクルマづくり」だけではない、大衆車として「身近な存在」という価値もカローラにはあったはず。
そうした何かが失われた可能性が、新型カローラにはある。これまでカローラを購入し、支えてきたロイヤルカスタマー(優良顧客)が離れていく予兆であるとも言えそうだ。
新規の購入者は、ブランドや歴史にこだわりはなく、はやりやそのときの風潮で別のメーカーや車種に移ってしまう可能性がある。そうした市場で、長く選ばれるブランドであるためには、一過性の価値ではなく、信頼や愛情を心に覚える車種・ブランドである必要があり、それが豊田章男社長のいう「愛車」の意味ではないだろうか。
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