トヨタ「新型カローラ」受注2万台を超えた意味 見え隠れするロイヤルカスタマー離れの予兆

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開発担当者になぜ3ナンバー化したのかを単刀直入に聞くと、「格好よくしたかったから」との答えが返ってきた。

それによると、実は先代モデルが新車として発表された折、販売店への客足がさっぱりであったのだという。理由は、外観の見栄えであった。それが大問題になっていたのだと言うのだ。

それでもさすがカローラだと思わせるのは、その後のマイナーチェンジで外観に手が加えられるなどし、今年9月のモデルチェンジ直前となった8月こそ月販台数が12位という成績だったが、それまでは常に10位以内におり、1万台以上を売った月もあった。それほど手堅い人気を保持し続けてきたのだ。

しかしながら、先代モデルの発売当初の不人気ぶりは一種のトラウマとなっていたのであろう。「格好よくしたかったから3ナンバーにした」との回答は、トヨタ内で重要な決断であったことを示している。

「ゴルフ」を上回る実力

3ナンバー化のもう1つの理由として、現行プリウス(3ナンバーサイズ)で採用が始まったTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の取り組みがあるはずだ。

TNGAとは、豊田章男社長がいう「もっといいクルマづくり」を実現するため、新車設計の基本部分は共通化し、それによる余力を車種ごとの魅力増につなげる開発手法である。

ハッチバックの「カローラ スポーツ」(写真:トヨタ自動車)

単にプラットフォームや部品の共通化を進めるかつてのクルマづくりとは異なり、設計思想の共有化と共通部品の拡張性を併せ持った開発手法だ。その結果、プリウスの後に発売された「C-HR」は格段の進歩を遂げ、それがカローラ スポーツにも言えた。

TNGAによるそれら3ナンバー車の延長に、国内専用車といえる新型カローラセダンとツーリングがある。これを5ナンバー内に収めるのは難しかったのであろう。しかしその分、走行性能や乗り心地は格段の進歩を遂げた。

試乗してみると、タイヤから伝わる走行感覚の確かさは、欧州車の雰囲気を覚えさせた。カローラ スポーツの発売から約1年を経て、走りの上質さはさらに磨きがかかった印象だ。

進歩の様子は、この1年の間に改良が施されたカローラ スポーツについてもいえる。運転感覚だけでなく、乗り心地も大きく改善され静粛性も高まり、快適さには高級車然とした趣さえある。この仕上がりは、フォルクスワーゲン「ゴルフ」と競えるし、乗り心地に関しては上回っているとさえ言える。

新型カローラは、セダンもツーリングも「すごくいい」というのが率直な感想だ。

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