「会社四季報」新春号に見る注目の企業はこれだ

配当の厚い銘柄、会社予想より強気な銘柄は

サイバーエージェントは株主資本配当率を重視する会社の1つだ。写真は藤田晋社長(撮影:今祥雄、19年1月)

本日12月13日に発売された『会社四季報』2020年1集新春号は、全上場企業の7割を占める3月期決算企業が折り返し地点を回ったタイミングで、記者が取材をしている。記者は業績の進捗状況や米中貿易摩擦の影響などを考慮し、担当企業の今期予想の精度を高めていく号となる。

今号の特徴は、記事の見出しに顕著に表れた。業績の悪化を意味する【下振れ】が、記載数で首位(前号は9位)となった。そして、1年前の新春号で最も多く使われた【続伸】というポジティブな見出しは、今号では4位に転落。一方、回復を示す【反発】が2位にランクインするなど、早くも業績に復調の兆しが見られる企業も出ている。厳しいビジネス環境下において、企業ごとに明暗が分かれ始めたといえるだろう。

今2019年度は悪材料が重なった年となった。米中貿易摩擦は昨年度からの持ち越しだが、日韓関係の悪化でインバウンド関連銘柄は打撃を受けた。台風19号など自然災害の被害も大きく、幅広い業界が損害や機会損失を被った。今号の『四季報』記事で「台風」という言葉が使われた企業は111社にも上った。また消費税の増税(8%から10%へ)もあり、記事内で「増税」と、駆け込み消費からの「反動減」という言葉が記事内で同時に使われた企業は、69社あった。

来期の予想営業増益率はプラス8.6%

ただし、こうした悪材料は来2020年度にかけて、徐々に消えていくだろう。2020年はアメリカの大統領選挙が行われ、トランプ大統領は中国といったん休戦する可能性が高い。

最新の『会社四季報』(2020年1集新春号)は12月13日発売。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

増税の影響も薄れていくはずだ。天候に関しては予測がつかないが、平準化するだけでも今年度比ではプラスとなる。

『四季報』は個別企業の業績予想を集計・掲載しているので、全体の方向性を見ることもできる。 全産業の今期予想営業増益率は6.3%のマイナスに転落するが、来期は同8.6%のプラスと増益復帰の見通し。「今年が底」といえるだろう。

『四季報』では毎号テーマを変えて、特集やランキングを企画している。今号の特集のテーマの1つは、「DOE」(株主資本配当率)だ。近年注目されている指標で、株主資本に対する配当の割合を示す。

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