トランプ大統領再選を阻む影の勢力の「正体」 民主党は2016年と同じ過ちを犯すのか?

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どうやら主要メディアと民主党関係者は苛立っているようだが、個人的にはこの苛立ちの方が民主党にとってリスクだと思う。トランプ支持者(約6300万人)を「カルト」呼ばわりするのは、2016年、優位だったヒラリー・クリントン候補が「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」の赤い帽子をかぶったトランプ支持者を「Deplorable」(粗野で下品)と呼んでしまったことを彷彿させる。2016年、筆者はここでのコラムを、トランプ勝利を前提に書いていたが、トランプ勝利を確信したのは、実はこの時だった。どうやら民主党は基本的には何も変わっていない。

そんな中、弾劾審査は今週以降、下院司法委員会へとバトンが渡る。同院の情報特別委員会をリードしたアダム・シフ委員長に比べ、司法委員会をリードするジェロルド・ナドラー委員長は共和党には組みやすい相手だ。トランプ政権側からはすでにヤマ場は過ぎたような余裕がうかがえる。

だが、女性とリベラルの権利を守る最後の守護神のような立場にされてしまったルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の再入院のニュースなども流れており、危機感から、人種や老若男女を問わずリベラルが結束する可能性も十分ある。

もし英国の総選挙で保守党が負けたらどうなるか

つまり、戦いの本番はこれからだろう。筆者の個人的な関心はアメリカ国内ではなく、むしろ12月12日の英国の総選挙にある。現在保守党が有利ということだが、本当に保守党が勝つのか。もし保守党が負けて BREXIT(英国の欧州離脱)がとん挫するようなことになれば、その影響は2020年のアメリカの大統領選にも影響する。

つまり、グローバリストが勢いを取り戻し、トランプ大統領は苦しくなるだろう。そうなれば、好調な今の株価の前提となっているトランプ大統領の再選確実の思惑は消える。だからこそ、あのスティーブ・バノン氏は、今英国から独立党のナイジェル・ファラージ党首を支えた参謀をアメリカに招き、共同で弾劾プロセスと戦うトランプ大統領を援護する新メディア戦略を展開しているわけだ。

ちなみに再選まであと1年となった段階での過去の共和党の大統領の「3年間の株価の位置」は以下のとおりだ(高パフォーマンス順)。 

1)41代ジョージ・H・W・ブッシュ大統領(父):+58.2%、
2)ドナルド・トランプ大統領 +53.2%
3)ロナルド・レーガン大統領 +43.8%
4)リチャード・ニクソン大統領 +1.5%
5)43代ジョージ・W・ブッシュ大統領(息子) -22% 

これをみると、トランプ大統領とほぼ同じ株のパフォーマンスだったパパブッシュは再選に失敗している。

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