地下鉄東西線、混雑率「199%→180%」への秘策 30年続く高い混雑率を一気に引き下げる
過去30年間、東西線のピーク時間帯(7時50分~8時50分)の輸送力は10両編成の列車が27本。すでに列車本数がパンパンで、これ以上増やせないのだ。
混雑だけではない。乗客が多すぎて駅での乗降に時間がかかり、遅延が発生する事象も頻繁に起きた。列車が遅延すると、単位時間当たりの運行本数が減ってしまう。その結果、運行本数が27本よりも減ってしまいかねない。これでは混雑率の悪化に拍車をかける。
遅延防止にあの手この手
そのため、東京メトロは駅での乗降時間短縮に向けた手をいくつも打ってきた。
まず、2007年から最混雑時間帯の快速(西船橋―東陽町間は浦安のみ停車)のうち浦安―東陽町間は各駅に停車する通勤快速を増やして列車ごとの混雑を平準化。2009年には朝ラッシュ時に走っていた中野方面快速を通勤快速に統一した。快速をなくしたのは、飛びぬけて便利な列車があるとその列車に乗客が集中し、遅延を引き起こしやすいためだ。
2009年には門前仲町で駅の旅客流動の改善にも踏み切っている。同駅では中野方面の最前部付近に大江戸線との乗り換え口がある。しかも先頭は女性専用車両。大江戸線から乗り換える男性の乗客はその隣の2両目に集中する。そこに、2両目以降の車両から大江戸線を目指す乗客の流れが真っ向からぶつかる形になっていた。
そこで、列車の停車位置を5mだけ前寄りに移動。わずか5mだが、乗客の流れがぶつからずにすれ違う形となり、ホーム上の滞留が大きく緩和した。
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