「失われた30年」に終止符を打つ日銀の秘策とは

「本物の」マイナス金利導入ならどうなる?

日本も昨年、今年とインフレ率はだいたい1%弱、銀行の預金金利はほぼゼロなので、読者の方の預金は実質ベースでこの2年間で約2%目減りしている。もちろんタンス預金も約2%目減りしている。これがインフレ率の高い途上国になると、実質ベースの政策金利がマイナス3%、マイナス5%というのは珍しくないだろう。

本物のマイナス金利導入に際して理屈どおりにいかないかもしれないものがあるとすれば、それは人の心だ。読者の方も上の「今と何一つ変わらない」というフレーズを読むまでは、本物のマイナス金利導入によってなにか特別なことが起きるかもしれないと思われた方は少なくないのではないか。

導入の障壁は「心の壁」?

銀行に預けているお金が「名目ベースで」どんどん減っていくとなると、嫌悪感を抱く人は少なくないと予想される。リーマンショック後、アメリカでいくつかの銀行が預金金利をマイナスにしたところ大不評を買い、すぐに撤回したのは有名な話だ。人の常識というのは時間が経つとあっさり変わるので、上記は時間が解決してくれるかもしれないが、みんながマイナス金利に慣れた後も課題は残るかもしれない。

現在でも、南米のチリという国で地下鉄運賃の値上げを発端とするデモ・暴動が起き、2019年11月のチリでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)開催が中止されたように、賃上げを伴わないマイナス金利幅拡大が続けばその嫌悪感が悪化して、抗議活動などが起きてしまうリスクも否めない。

ただし再度、過去20年間日本経済を苦しめ続けた流動性のわなをあっという間に消し去るアップサイドを考えると、デジタル通貨と本物のマイナス金利政策が導入される日はそう遠くないのかもしれない。

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