世界が熱狂する「ローマ法王」爆発的人気の理由 初来日するフランシスコ法王の実像
「ミサそのものは厳粛に行われていたのですが、終了間際になると会場は熱狂的になりました。世界中から参加していた信者たちがとにかくローマ法王に一目会おうと接近していくシーンが印象的で、ローマ法王というのは国民的ヒーローなんだと思いました。
今は警備が厳しいため、そう簡単に接近することはできませんが、できる限り信者と向き合いたいという思いは変わっていませんね」
バチカン市国のサン・ピエトロ寺院で行われたクリスマス・ミサに参加した日本人女性のカトリック信者はそう振り返った。
「スーパー法王」が今月初来日
2013年、アメリカ大陸出身で初めてカトリックの頂点であるローマ法王となったフランシスコが11月23日から26日まで、初来日する。今回の来日は、法王が「焼き場に立つ少年」という、被爆後に亡くなった弟を背負う写真に胸を打たれ、それを世界に配布したことがきっかけになった。
カトリック信徒は世界で約13億人いるが、日本には約44万人しかいない。しかし、フランシスコ法王は若い頃、日本での布教活動を望んでいたということもあり、唯一の被爆国である日本を特別に気にかけていたという。
ローマ法王の来日は1981年のヨハネ・パウロ2世以来38年ぶりで、前回と同様に広島、長崎を訪れ、被爆者との面会も予定されている。また長崎では平和メッセージを出す予定だという。その他、天皇陛下と会見、安倍晋三首相と会談、東日本大震災の被災者との面会や信者のために東京ドームでの5万人ミサも予定されており、82歳という高齢にもかかわらず、分刻みのスケジュールをこなすという。
そんなフランシスコ法王の語った言葉が『ローマ法王の言葉』(講談社)にまとめられているが、どの言葉を取ってみても、解釈が難しい言葉ではなく、誰にでも理解できる平易なわかりやすい言葉で語っているのが特徴だ。25日に東京ドームで行われるローマ法王によるミサは38年ぶりということもあり、信者はもちろん、マスコミからの取材依頼が殺到し、カトリック中央協議会の運営事務局も対応に手が回らない状態とのことだ。
以前はローマ法王がバチカンを離れることはほとんどなかったのだが、38年前に来日した法王、ヨハネ・パウロ2世は、26年の在位中に104回も外国を訪れており、つねに世界を飛び回っていたため「空飛ぶ法王」と呼ばれていた。現在のフランシスコ法王もそれを上回る頻度で外国を訪れており、映画のヒーロー、スーパーマンに例えられ、「スーパー法王」といわれているのである。
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