地方活性化の新規事業が大失敗する3つの要因 栃木・塩谷町は1億円売上計画で実績7万円!

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「一見美しく、実は予算獲得をするためだけに終わりやすい無茶な計画」には、大抵は、以下の「3つの要素」がきっちり含まれています。

1つ目は「地域の独自性と理解可能な範囲の新規性」です。

その地域の状況や歴史、環境などを生かした、「その地域だからこそできる」といった独自性を踏まえた筋書きが必要です。さらに、今までこの地域でやってきていない新規性も求められます。ただし、あまりに突飛な新規計画では理解されないので、「審査員が理解可能な範囲の新規性」というラインが大切になりがちです。

2つ目は「一発逆転のキッカケ、起爆剤の役割」です。

この手の計画には「大きく地域が変わるきっかけとなる」、という夢が求められ、地域活性化の起爆剤としての役割が求められます。つまり、小さな事業をやって、大した成果がないというのでは予算がつかないので、ここは大風呂敷を広げて、大きな予算を求めていくことになりがちです。

3つ目は「地域に関わる行政、さまざまな地元団体などが一丸となるという合意形成」です。

「行政、地元団体が一丸となり、地域が1つにまとまれば、まち全体が変わる」。確かに、そうなれば、理想的な話です。この種の計画には、地域のさまざまな団体が加わり協議会を形成し、さらにそこには「外部の専門家まで入っています」、といった具合に「地域が一枚岩」といった内容が書かれがちです。

「美しいだけの計画」は自分たちの首を絞めることになる

このような3つのポイントを踏まえると、計画が採択され、それなりの予算が下りやすくなるのは、間違いありません。そうして、地域での計画がスタートするのですが、本当に困るのは、ここからなのです。

予算を獲得することが目標となってしまうと、前述のように、実際には「ありえない地域の独自性」や、「実現不可能な新規性を踏まえた内容」を計画に書いてしまい、採択後、実行の段階では自分たちの首を絞めることになります。

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