大事故の危険も、鉄道「運転士のミス」どう防ぐ?

自動運転でも過渡期には落とし穴がある

鉄道のオーバーランは一歩間違うと大事故につながりかねない(写真:スイマー/PIXTA)

9月5日に起きた神奈川新町ー仲木戸間の踏切で発生した脱線事故について、京浜急行電鉄は11月12日に中間報告を行った。

運転士は踏切内の異常を知らせる発光信号機の表示を確認してすぐブレーキをかけたにもかかわらず、踏切の手前で停止できなった理由について、京急は「現在調査中」としている。しかし、いっぽうで、運転士の対応については、「運転士が間違った判断をしたとは言い切れない」とする。

今回の事故が「ヒューマンエラー」と関係しているのかどうか。最終的には運輸安全委員会の調査結果を待つ必要があるが、鉄道車両が決められた停車位置を行き過ぎるオーバーランや、停車駅を誤って通過するという事象も多発しており、この要因として考えられるのがヒューマンエラーである。鉄道各社はオーバーランが起きないように設備装置を設置したり、研修・訓練を行ったりと、さまざまな対策を講じているが、なぜか根絶できない。

ヒューマンエラーへの理解が必要

人間は間違いを犯す動物である――。これは、どれだけ訓練を重ねた人でもミスを犯してしまうという意味だ。今までミスをしたことがない人でも、これからミスをする可能性がないとは言い切れない。人間が運転する限りヒューマンエラーを100%防ぐことはできない。だとしたら、ヒューマンエラーについての理解を深めることで発生確率を低くすることが最善策である。

駅通過・オーバーランなどのヒューマンエラーは、運転士の焦りや技量不足により停車できなかった場合を除くと、大きく下記のような要因があげられる。

1つは「居眠り」や「考えごと」をしていたなどの「無意識状態」によるエラーだ。とくに居眠りについては、トンネルや高架が続く区間は運転台からの景色が一定であるため強い眠気に襲われる危険がある。

自動車の運転でも信号やカーブが少なく単調な景色が続くことで眠気を誘発するという現象がある。不規則な勤務体系による睡眠不足は直接的な原因になるだろうが、たとえ睡眠十分で勤務に向かったとしても、このような環境下での運転は、眠気を引き起こしやすい。

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