「新R25」の29歳社長が味わった補欠という挫折 サイバーエージェント新卒入社、子会社社長に
「3年、4年のときの自分のことを考えると、野球部の同期には申し訳ない気持ちです。チームと同じところを見ることができませんでしたから。原因は実力不足、甘さがあったことだというのは自分が1番よくわかっています。もちろん、悔しさもありました」
それまで大好きだった野球への思いは薄れていた。
「あのころは、大学も野球も大嫌いでした。もう心は折れていました。部に迷惑をかけないようにと心がけてはいましたが、野球に対するモチベーションはかなり下がっていました。決して、いい補欠ではありませんでした。CチームやDチームで1年生と一緒に走るのは大変でした……」
残念なことだが、野球部は自分を成長させるところではないとわかっていた。3年生から本格的に就職活動を始めたのだ。
野球で完敗したことが未来につながった
須田は厳しい競争を勝ち抜き、サイバーエージェントに就職することになった。1998年に設立されたこのIT企業は、 Ameba(アメーバブログ)関連事業やインターネット広告事業を柱に4000億円を超える売り上げを誇っている。
「当社の親会社の代表取締役である藤田晋の書籍『渋谷ではたらく社長の告白』を読んだのが、サイバーエージェントとの出会いです。僕には、藤田のサクセスストーリーが刺さりました。それまで漠然と住む世界が違うと感じていた人の学生時代が、思ったほど輝かしくはなかったことを知り、ビジネスの世界をグッと身近に感じたのです」
須田は野球選手としての自分に見切りをつけ、企業人として生きることを決めた。23歳の、潔いリスタートだった。
「大学で味わった悔しさとか反省が、いまの生き方にすべて反映されていると思います。僕の場合は、完敗したのがよかった、負け切れてよかった」
須田は2013年、内定者時代にサイバーエージェントへ早期入社し、株式会社アメスタの子会社立ち上げに参画。2014年4月に新卒でサイバーエージェントへ入社した。
メディア事業本部、広告事業本部にて営業職を経験したあと、2015年にマネジャーに就任。2016年には、株式会社CA Young Labを設立し、26歳で代表取締役社長に就任した。
現在、29歳の須田が代表取締役をつとめる株式会社Cyber Nowでは若手ビジネスパーソンの成長を応援するWebメディア「新R25」を展開。「アメーバブログ」・「 AbemaTV」に次ぐ、サイバーエージェントグループの第3のメディアと目される注目の新興メディアだ。
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