会社に頼らず生きていける人に共通する3特徴 「会社の評価と顧客」どちらが大切ですか?

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ほとんどの社員は「A部長だからしょうがない……」と受け入れていましたが、私はそんなの納得できないので、会議が始まる段階で「すみません。お客さんとのアポがあるので、私は15時に退出させてもらいます」と宣言しておきました。

実際にアポがなくても、ウソついて、そう言っておくんです。部長の話が長引こうが、説教が始まろうが、15時になったらさっさと退出。予定がないときは本屋にでも行っていました。

常識を1度は疑ってみる

そんなやり方を全員に推奨するわけではありませんが、会社の仕組み、世間のルールなど、いわゆる“常識”に縛られるのではなく、とにかく1度は疑ってみる。そして、できれば“おかしな常識”を乗り越えられるよう自分なりの工夫をする。

結局は、そんな人が「会社に頼らず生きていける人」になっていくのです。

特徴3:最悪を想定している

特徴の3つ目は「最悪を想定している」です。簡単に言えば、「もし○○が起こったら、こうしよう」という発想で仕事をしている人。その最たるケースが「もし会社が倒産したら……」「もし今、クビになったら……」というわけです。

例えば、あなたが4人チームのプロジェクトリーダーをしているとき、「もし1人が異動になって、メンバーが少なくなったらどうしよう」ということを、つねに考えているかどうか。

これ、とても重要です。あるいは、自分のクライアントが3社あって、そのうち1社からの売り上げが全体の85%を占めている場合、「その1社からの契約を切られたら、どうするか?」ということを、あらかじめ想定しているか。

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つねに最悪を想定している人なら、実に当たり前のリスク管理です。

仕事をしていれば、「まさかっ!」という不測の事態は必ず起こります。もちろん、それはあなたの責任ではないかもしれません。

ちなみに今、私はあっちこっちへ出向いて講演やセミナーをやっていますが、出先でプロジェクターの不具合があり、用意したスライドが使えないなんてこともあるわけです。私の責任ではありません。

でも、「誰の責任か」なんて発想自体、組織の中でしか通用しない話。誰の責任であろうが、目の前の事態を“自分で”何とかしなければなりません。だからこそ、最悪を想定する。そんな意識と覚悟を持っている人が、会社に頼らない「肩書き『オレ』で生きていく人」になっていくのだと思います。

1、つねにお客さんを真ん中に置く
2、常識を疑う
3、最悪を想定している

今からでも、決して遅くはありません。ぜひ、この3つを意識して「会社に頼らず生きていける人」になってほしいと思います。

唐土 新市郎 社長専門アドバイザー

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からつち しんいちろう / Shinichiro Karatsuchi

1970年淡路島生まれ。元船井総合研究所取締役専務執行役員。最年少で執行役員となる。現在は、社長専門アドバイザー(ひとりぼっち社長)、社長の生き方研究家、講演家、作家。

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