「おひとりさま」が60歳から年金を増やす方法 老後1円でも多くもらうためにはどうするか
「いったい私は、何歳まで働けばいいのでしょう?」
ファイナンシャルプランナーとして、個人のライフプラン相談を受けている筆者のもとにお見えになったAさんは、開口一番、ため息まじりに話しました。
Aさんは、56歳の独身女性。都内の短大を卒業後、金融機関に就職しました。仕事は忙しく上司から叱られることも多かったけれど、時代はバブル絶頂期、華やいだOL生活だったようです。同期や職場の先輩など女性数人で海外旅行にも頻繁に出かけました。
「仕事がとくに好きだったわけでもないのですが、何となく結婚することもなく、気づいたらこの歳になっていた、というのが正直なところです。友達も私と同じような境遇なので、あまり疑問にも思わずここまで来てしまいました。でも、最近、テレビでは年金が足りないとかいろいろ言っているし、のんきな友人たちでさえ、会えば必ず老後の話、いったい何歳まで働けばいいのか、と不安になったんです」
年収450万円、事務職のベテラン世代に迫る不安
Aさんの現在の年収は450万円。「うちの会社、男性はみんな年収が高いんですけど、私くらいの年齢の女性は役職もありませんし、仕事も事務職なので年収ってこんなもんなんです。男女雇用機会均等法とか女性活躍推進法などで、女性にも男性と同等のポジションを、といった動きはありますが、その対象は私たちより若い世代です。とくに重要な仕事を任されることもなく、時間だけ経っているんです。まあ、お給料をいただけるだけましなのでしょうけれど、正直いってぜいたくなんてできません……」
Aさんのマンションは家賃10万円で、支出の約半分を占めています。食事は基本自炊、洋服なども計画的に買うなど、賢くやりくりして、楽しみの旅行費用を捻出している様子がうかがえます。
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