豊洲移転から1年「飲食店」から見る築地との差 それぞれの市場の飲食店を比較してみた

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さて、豊洲市場内の飲食店は、3つのエリアに分かれている。5街区・青果棟11階に3店、6街区・水産仲卸売場棟3階に21店、7街区・管理施設棟3階に13店である。

築地市場内と豊洲市場内との食べログランキング(平均点)を比較すると、『築地 3.47点 → 豊洲 3.31点』であった。

算出方法:食べログ掲載データ、築地市場内(2018年10月)と豊洲市場内(2019年9月)の店舗ランキングを基に平均点を算出した

築地1号店の吉野家は3.40点だった

築地市場内と豊洲市場内とを、食べログの点数で単純比較を行うと、0.16点も下がった結果となる。

また、牛丼ファンの聖地だった築地1号店の「吉野家」は当時3.40点であり、それ以外の全国チェーン吉野家約1200店舗を調査すると、平均は3.02点だった。現在の豊洲では3.03点。つまり、築地は全国平均より0.38ポイント高かったのに、今ではほかの1店舗と同様の点数評価になってしまった。

この点数差は、築地場内がお店の経年変化で歴史の深みある味わいも雰囲気が増すことで、点数の評価を上げていたのだろう。また、明らかにアクセスが悪くなり、不便になったことも影響しているだろう。

はたして、文化遺産というべき築地から新施設の豊洲に移転した結果、現状の点数だけを単純比較すると、厳しいものがみられる。それでも、新たな時を刻む豊洲のさらなる発展に期待して、これからも足しげく通いたいものだ。

新山 勝利 研修講師、マーケティングコンサルタント

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にいやま しょうり / Shouri Niiyama

専門領域は店頭マーケティング、購買心理プロセス、顧客満足度。飲食店のコンサルティングでは、点数を分析したデータ主義で売上向上を図り「食べログ」の評価3.50点達成を推進する。顧客満足を高める販売促進、店舗の活性化や売場づくりのためのノウハウを提供。メーカーや全国の商工会議所などの団体、広告代理店、卸売、量販、チェーン店などが主要顧客。他業界の成功事例を用いて、写真や図表を活用した説明を行う。世界30カ国、150都市を歴訪。中でもフランス・パリには30回訪問。諸外国の先進的な産業事例にも造詣が深い。多数の専門誌に執筆するほか、各種マーケティング学会で論文発表。著書に『売れる商品陳列マニュアル』(日本能率協会マネジメントセンター)など。公式サイトはこちら

 

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