豊洲移転から1年「飲食店」から見る築地との差 それぞれの市場の飲食店を比較してみた
築地市場ができた当初、場内に一般人は入ることが許されなかった。しかしバブル経済崩壊後の景気悪化に伴い、「魚がし横丁」も市場関係者の利用が少なくなり受け入れる方向へ舵を切った。その際にはチラシを作成、場外市場へ食事に来た観光客や近隣の会社員へ積極的に配付した。また地元中央区内の新聞折り込み広告でも周知した経緯がある。
近年では、外国からの観光客も集まり、彼らからの人気が高い「寿司大」は数時間待ちもざらだった。海外からのお客さんが90%を超え、英語などでの対応やスシショーというべきパフォーマンスで、おもてなし接客をしていた。
築地跡地はどうなる?
豊洲に移転したのは場内であり、場外はそのまま残っている。場内で取引されている魚介類は、プロが仕入れる大きな半身、1尾ごとなどのサイズ、箱やキログラム単位からなど量が多いのに対して、場外の魚屋では家庭でも食べるのに適した新鮮な魚介類が購入できる。ただし、築地で食事をすることは決して安くはない。
また、クレジットカードも禁物だ。ほとんどの店では、昔ながらの現金オンリーの商取引を行っている。世界最大の旅行プラットフォーム・トリップアドバイザーのクチコミや築地を紹介している外国人のブログでは、カードが利用できないことは注意喚起でよく書かれているので、来場する観光客は心得ていることが多い。
約23ha(東京ドーム、5個分)の広大な築地市場跡地は、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の選手や大会関係者を輸送するバスおよび乗用車の管理運営を行う基地に使用されることが決まっている。現在はほぼ更地状態の姿で、その工期は2020年3月までだ。
また、その後は、「築地まちづくり方針(概要)」(東京都、2019年3月)によると、国際会議場・展示場や高級ホテルのある「MICE」(マイス)を中心に、「おもてなしゾーン」「交流促進ゾーン」「水辺の顔づくりゾーン」「ゲートゾーン」の4つに区切られ整備されていく予定だ。
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