サントリー社長「洋酒で世界のプレーヤーへ」 ビーム社買収の狙い
[大阪 17日 ロイター] - サントリーホールディングス
ビーム社が強い米国だけでなく、インドやロシア、ブラジル、中国など、これから伸びが期待できる市場で事業を伸ばしていくことができるとした。
また、昨年の決算会見時には、今年(2014年)の決算会見が自身にとっての最後の会見になると話していたが、ビーム社の買収手続きの最中であり「3月で社長を退任することはない」と述べた。
決して高い買い物ではない
佐治社長は、ビーム社買収の意義について「世界有数のスピリッツ事業を有するグループとなる。世界最大のスピリッツ市場を持つ米国をはじめ、世界のさまざまなエリアで両社のブランド展開が可能となる」とした。具体的には、インド、ブラジル、ロシア、中国などの国を挙げ「これから発展する国々で大きく商売を伸ばしていける」と述べた。
また、サントリーの原点である洋酒事業の大型買収である点にも触れ「洋酒事業はわれわれのビジネスの根幹。ここで世界のプレーヤーになれることは大きいこと」と述べ、グループにとっても大きな意味を持つ買収であると強調した。
サントリーホールディングスは1月、米ビーム社の全株式を1株当たり83.5ドル、総額160億ドル(約1兆6500億円)で取得、買収することで合意した。サントリーによると、ビーム社とサントリーのスピリッツ事業を合わせた売上高は43億ドル(約4450億円)を超え、世界のプレミアムスピリッツ市場において第3位となる。
市場からは、割高な買い物との指摘も出ていたが、同社長は「販路の拡大、技術交流を進めることで、グローバルなスピリッツ事業の拡大を一気に進めていくことができる。10年、20年、30年後のグローバルな成長という時間と将来の夢を1.7兆円で買った。決して高い買い物ではない」との見解を示した。