帝国ホテル、激戦区・京都で新ホテル開業の賭け 2021年に1.2万室が供給過剰でも勝算は?
日系高級ホテルのトップの1つ、帝国ホテルが京都で新規開業を計画していることが明らかになった。10月9日に京都市内で会見を行い、概要を明らかにする予定だ。
会社側は「現時点で決定した事実はない」としているが、京都市祇園町に建つ国の登録有形文化財「弥栄(やさか)会館」を改装し、ホテルにするとみられる。
新ホテルのブランド名は明らかにされていないが、仮に「帝国ホテル」ブランドの開業となれば、1996年の大阪以来、4つ目となる。
帝国ホテルの拡大志向は弱かった
帝国ホテルは現在、東京・日比谷の「帝国ホテル 東京」(通称、本館)と大阪市内にある「帝国ホテル 大阪」、「上高地帝国ホテル」(長野・上高地)を展開。ほかにも子会社で「ザ・クレストホテル柏」と「ホテルグランドアーク半蔵門」、「全国町村会館」を運営している。
このうち、東京の本館は年間売上高が400億円を超え、グループ売上高の約7割を占めている。業界内ではホテルオークラが100軒体制を目指して国内外で新規ホテル開発を進めているのに対し、帝国ホテルの拡大志向は薄いとされていた。
しかし、新規案件に慎重とされた帝国ホテルを動かすだけの需要が京都にはあるのだ。