「あらゆることから何かを学ぶ」東大生の頭の中 「自分の意見」をつくることはこんなに大切だ

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これは、本に限った話ではありません。授業や講義を受けるとき、誰かから説明を受けるとき、または日常生活を送っているときでさえ、自分の意見を持って思考している人とそうでない人で、頭のよさが変わってくるのです。

例えば東大生と話していると、「最近ベンチャー企業についての本を読んでいるんだけど、あの映画の主人公の葛藤って、ベンチャー企業の社長の持つ葛藤とそっくりだって思ったんだ」とか「親戚の子どもと話していたときに、都会の子って食育が全然進んでないんだなと思ったんだ。これって、最近勉強している日本の農業の問題を象徴しているんじゃないかな」などと、日常生活と自分が勉強していることを結び付けて考える人が非常に多いです。

これも、「なるほど!」スタンスではなく「そうそう!」スタンスだということができると思います。

こういう思考をしている人は、どんどん知識に磨きがかかってきます。どんな本を読んでも、どんな記事を読んでも、日常生活を送っているうえでも、どんな情報でも知識へと変換することができるようになり、どんどん頭がよくなっていくのです。

意見を作るのは、思考力を鍛えることにほかならない

最近はAIの台頭により、変化の激しい時代を生き抜く力として「思考力」をつけるべきだという論調が強くなっていますね。教育現場では、その「思考力」を問うといわれている2020年入試改革もあり、「考えて行動しよう!」とか「これからは思考力の時代だから、物事を考えなければならない!」ということが叫ばれています。

『東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式』(書影をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします)

しかし、「考えろ!」と言われても何を考えればいいのか、思考力なんてどうすれば伸ばせるのかわからない……という人が大半だと思います。事実、2020年入試にどう対策していいかわからない、という学生や先生も多いです。

そんな中で僕がオススメしたいのが、この「そうそう!」というスタンスです。本を読むとき、授業を聞くとき、人の話を聞くときに、「へえ、そうなんだ、なるほどな」と聞くのではなく、「そうそう、確かにそういうこと言えるだろうな」と思って聞けるように努力するということです。

もしそうなれないとしたら、準備が足りていないということにほかなりません。その物事についてあまり考えられておらず、情報を摂取する準備ができていないからこそ、「なるほど」スタンスになってしまっているはずです。

自分で調べて、自分なりの考え・意見を持ってみる。もちろん調べる過程で得る情報はいったん「なるほど」スタンスになってしまうかもしれませんが、それは「そうそう」スタンスになるための準備と捉えましょう。

そして、「なるほど」というスタンスではなく「そうそう」というスタンスで物事を見ることができるようになってきたら、思考力がついてきている証拠です。

いかがでしょうか? 僕も昔は「なるほど」と言っているだけで、情報をただ得るだけで満足してしまっていました。それで成績は伸び悩み、頭がよくなっている感覚が全然ありませんでした。それが、自分の意見を持って情報にあたるようにしてから、得られる知識が増え、成績もぐんぐん上がっていった記憶があります。みなさんもぜひ、試してみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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