部下をダメにする上司ほど「秘密主義」通す理由 無駄な隠し事は「部下のヤル気」を削ぐだけ

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すると、前年のような不満を感じるスタッフは一切いなく、全員が高い意識でイベントに取り組んでくれました。そして、くだんの女性スタッフも「一緒に仕事ができてよかった」と言ってくれました。

スタッフの意識が低かったのは、情報共有不足によるものだったのです。

上司は情報を「隠したがる」生き物

情報を渡せばいいだけのことですから、簡単にできそうなものです。
しかし、それがなかなかできません。

なぜなら、上司は情報を「隠したがる」生き物だからです。

情報を全部与えると、「変に誤解して受け取り、モチベーションが下がるんじゃないか」「社外秘の情報を外部に漏らすんじゃないか」と、部下を信用していなかったり、「この情報を与えても理解できないだろう」と見くびったり、そもそも伝えるべき情報を、時間がないからという理由で、「そのくらい伝えなくても、わかっていてほしい」と淡い期待に甘えて伝えようとしないのです。

要するに、情報格差を埋めるのは、上司にとって面倒なことなのです。
もっともらしい理由をつけたところで、都合よく「意識高くやってほしい」と願っているだけで、情報を埋める労力を惜しんでいることに変わりはありません。

これでは、「上司が情報を隠したがっている」と言われても致し方ないことです。

あなたも、なんだかんだと言い訳をして、情報を部下に与えていないのではないでしょうか。

上司が情報を隠すという行為は、品のない言い方をすれば、「部下は情報を伝えてもわからないバカ」で、情報を間違って解釈したり、社外秘の情報を漏らしたり悪用したりする「信用ならない存在」だというメッセージを与えることになります。

信用されていないと感じた部下は、意識高く仕事をしようとは思わないでしょう。

上司は上司で、部下の意識の低さを理由に情報を与えようとせず、隠してしまいます。

ここで、大きな悪循環が起こってしまうのです。

大事なのは、「情報格差」をなくすことです。

部下の意識を変えるには、まず上司が情報格差に気付き、情報格差を埋める。

間違っても「意識を変えること」を目標にしてはいけません。

肝に銘じておきましょう。

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アルファポリスビジネス編集部

アルファポリスはエンターテインメントコンテンツのポータルサイト。小説、漫画、書籍情報などを無料で配信。最近はビジネス系の記事にも力を入れている。

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