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「中国人妻強制退去事件」にみる台湾の言論の自由。事前に割り引いた「言論の自由」など存在しない

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台湾の頼清徳総統
台湾の頼清徳総統(写真:アフロ)
5人の解説部コラムニストが、気になるニュースの真相を解説する。【火曜日更新】

30年ほど前、新卒で入った新聞社の先輩たちから「あなたが言っていることは100%間違っているが、あなたがそれを言うことを私は100%守るというのが言論の自由だ」と何回も聞かされた。最近、よく思い出す。

それは2025年3月、1人の女性が台湾から強制退去させられた事件があったためだ。女性の名前から「亜亜騒動」と台湾で言われている。亜亜氏は中国出身で、台湾人男性と結婚して台湾に来たが、SNSで「中国と台湾は武力で統一されるべきだ」と発言したことが問題とされた。彼女のアカウントには40万人ほどのフォロワーがいたことも大きかったようだ。

台湾当局の取り調べに亜亜氏は「両岸統一は理想。それを発表するのがいけないのか」と答えたという。当局は「国家の安全と社会安定に危害を加える」として在留許可を取り消し、亜亜氏は夫と子ども2人を残して台湾を去った。

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