仕事の不安に効くSATE(さて?)という処方箋

ロジカルシンキングに必要な4つのスキル

業界別、商品別はもちろん、時代に合わせてさまざまなフレームワークが開発され続けています。しかし、それらが今あなたの置かれた状況で「完璧に」機能してくれるとは限りません。あくまでも最初の一歩として活用し、主要な項目をチェックしてみて、さらに「気にしたほうがよい項目はないか?」という視点で検証するのがよいと思います。

ここで、あなたがある会社の営業部のメンバーだと仮定して、プレゼン準備のために必要な「分解」について、考えてみましょう。

1. プレゼンの「中身」と「伝達」

あなたは明日、取引先に向けてプレゼンをしなくてはいけないので、一生懸命その内容を考えています。今日中に上司に自分の案を提出して、OKをもらわなくてはいけないのです。

こんなとき、「自分なりに案を考えたけれど、これで上司にOKをもらえるだろうか?」と考えてしまう人が多いのです。これは、「顧客に受け入れてもらう案を考えること」と「上司に受け入れてもらうこと」を混ぜて考えているものです。本来、この2つは別物です。

顧客にとってよい案を考える際に、それが上司にどう思われるかということまで考える必要はありません。顧客のための案を考えて作成し、それから、上司のことを別に考えるのです。

これらに同時に取り組んで悩んでしまうと、問題が複雑に見えて、どこから手をつけてよいかわからなくなります。

最終目的を達成することが重要

上司のことを気にするあまり、顧客のことを思考の外において立案してしまったりすると、「顧客に受け入れてもらう」という最終目的が達成できなかったりするのです。

小学生でも、「将来こんな学校に行きたいっていったら、先生に笑われるかな」と考えることがありますね。「自分にとって行きたい学校を選ぶこと」と「それを先生に受け入れてもらうこと」は、やはり別の作業なのです。

2. コントロール可能なものと不可能なもの

これは、「自分の能力でできること」と「できないこと」と言い換えることもできます。「自分ではどうしようもないこと」に対して時間・資源を投入することは非効率です。

それにもかかわらず、「いろいろ大変なんだ!」という状況ではそれらを混ぜて考えてしまい、本来注力すべき「自分の能力で解決できること」や「コントロール可能な問題」に、十分取り組めていないという状況になることが多々あります。

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受験を前にして「難しい問題が出たらどうしよう」と考えても仕方のないことに気を取られて、思考が停止したり、勉強が横道にそれたりするのは、成績が伸び悩んでいる生徒にもよくある話です。

わざわざ解決不可能な問題を考慮に入れることで複雑にしてしまい、解きにくくしたり、考えても仕方のないことを考慮に入れて行き詰まってしまったりしないためにも、この「分解」は普段からぜひ意識してほしいものです。

困難に立ち向かうための「強い心」。その輪郭のわからない能力をロジカルシンキングというわかりやすいスキルに落とし込んだ「SATE」。

すべてを解決する魔法の思考法ではありませんが、大小さまざまな問題に対応できるようになり、結果的に「強い心」つまり「困難な状況でも動じずに対応する力」が身に付いているはずです。

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