「子どもを攻撃してしまう親」の悪しき共通点

この手の親は何をしても変わらない

攻撃的な親にずっと悩まされ続けていると、いつかは、自分が受けた苦しみを親に理解してほしいという願望、あるいは理解してもらえるのではないかという期待を抱くかもしれない。だが、攻撃的な親があなたの痛みを理解してくれるなんて、ほとんどありえない。まして、謝罪など望むべくもない。だから、親がいつかは心を入れ替えて、あなたの痛みを理解し、謝罪してくれるなどという幻想は捨てるほうが身のためだ。

こういう期待や幻想を抱くのは、法廷で、被害者や家族が、人生をめちゃくちゃに破壊した加害者に、自らの犯罪行為の重大性を認識し、謝罪してほしいと望むのと同じである。被害者の痛みに共感して、心の底から後悔するような犯罪者は、ごくまれだということを認識すべきだろう。 

「しつけで悪いとは思っていない」

自分の親を犯罪者同様の人間と見なすことには、抵抗があるかもしれない。しかし、今年自らの娘を虐待死させた栗原勇一郎被告はこう述べている。

彼は、「(虐待は)しつけで悪いとは思っていない」と供述したが、同様の供述を虐待で告発された親がすることは少なくない。こういう親は、虐待の事実を頑として否認し、少々「行き過ぎ」の行為があったにせよ、あくまでもしつけのためであり、愛情からやったことだと自己正当化する。

しかも、わが子を「恩知らず」とののしり、罪悪感を抱かせようとすることもある。これは、先ほど述べたように自分は正しいと思い込んでいるからだ。この思い込みのせいで、何かうまくいかないことがあると他人のせいにするわけで、責任転嫁の対象がわが子であることも少なくない。

おまけに、こういう親は罪悪感をかき立てる達人であることが多い。そのため、子どものほうは自分に責任があるのだと思い込まされやすい。例えば、鬱憤晴らしのために子どもをたたいている親が、「お前が悪いから」と責めると、子どもも「自分が悪いから、たたかれるんだ」と思い込んでしまう。

このような場合、子どもは自分を責め、罪悪感にさいなまれる。だが、本当に悪いのは、鬱憤晴らしのために子どもをたたく親なので、ひどい親だということにまず気づかなければならない。

自分の親がひどい親だという事実は受け入れがたいはずだ。だからこそ、多くの子どもが、親からどれだけひどい仕打ちを受けても、現実から目を背け、「自分のためを思うからこそ、やっているんだ」「自分が親孝行すれば、こんなことをされなくてすむはず」などと自分に言い聞かせる。

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