チョコミント「苦手な人」が多いのに人気の理由 実は世界の歴史的には大人受けする味だった

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日本では、高級チョコレートブランドも「大人のミントチョコ」を販売する。

ゴディバの「パール ミント」は、世界100カ国以上で展開するベストセラーだ。ファンが多いミントチョコレートを、2007年に携帯しやすい缶入りにした。バッグから取り出して、さっと小腹を満たしたり気分転換できる。

ゴディバ「パール ミント」(上)、リンツ「リンツ エクセレンス ミント」(下)。高級感があり、大人が持って違和感がない(筆者撮影)

「リンツ エクセレンス ミント」(ミントのダークチョコレートバー)は、今年9月から日本で通年販売となった。「チョコミントは夏だけのものではありません。歴史的にもチョコミントは大人が楽しんできたもの。海外のように年間を通して楽しむスタイルを、日本にも広く伝えたいです」(リンツ&シュプルングリージャパン 篠原みどりさん)。

仕事中、食後のミントは理にかなっている

「仕事の合間に、気分を切り替えて、頭を冴えさせたいときに」(30代女性)、「小腹が空いて、疲れたときに一石二鳥でちょうどいい」(50代男性)。

仕事の効率を上げるために、チョコミントを食べる大人も多い。ペパーミントの主成分(ミント香料にも含まれる)メンソールは、リフレッシュ効果が高いため、頭をスッキリさせ、集中力を高めることにつながる。

アフターディナーのチョコミントも理にかなっている。チョコレートはデザートになり、メンソールには胃腸の働きを整える効果があるからだ。「頭の中を切り替えて、次のシーンへ進みたい」シチュエーションは、大人なら仕事でも生活でもあるだろう。そんなときにチョコミントが役に立つ。

ロングセラーがあり、大人のチョコミント需要があり、さらに日本では若い消費者に支持されている。アイスをイメージさせる涼しげなカラーと、スーッとする清涼感から「夏チョコ」として定着もした。「苦手派」はやはり多いが、チョコミントには魅力が多く、愛好家の層は厚い。

市川 歩美 チョコレートジャーナリスト/ジャーナリスト

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いちかわ あゆみ / Ayumi Ichikawa

大学卒業後、民間放送局に入社、その後NHKで、長年ディレクターとして番組企画・制作に携わる。現在はチョコレートを主なテーマとするジャーナリストとして、日本国内、カカオ生産地などの各地を取材し、情報サイト、TV、ラジオなど多くのメディアで情報発信をしている。チョコレートの魅力を広く伝えるコーディネーターとしても活動。商品の監修や開発にもかかわる。

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