ココカラ、マツキヨと統合選んだ「曖昧な判断」

売上高1兆円のドラッグストア誕生となるか

マツキヨを選んだ大きな理由として、ココカラの塚本社長は「マツキヨはとても優れたPB(プライベートブランド)の商品開発力がある。また、マーケティング力と店舗運営能力も高い。そのノウハウを使えば、大きな成果を上げられるだろう」と語る。

マツキヨが強みとするPB商品(撮影:尾形文繁)

また、マツキヨは収益性の低かった地方子会社を立て直してきた経験がある。ここ数年間店舗ごとに人件費や経費などを細かく分析し、地方子会社の底上げを図ってきた。

ココカラも目下、収益力の低下に苦悩している。「マツキヨと一緒になればココカラの抱えている経営課題を解決することもできる」と、ココカラの塚本社長が語るように、マツキヨの収益の底上げ力に期待する部分も大きい。

抽象的だった塚本社長の答弁

一方で、ココカラはなぜ、スギを選ばなかったのか。この点について、塚本社長の答弁はあいまいだった。

「特別委員会でさまざまなシナジーを試算し積み上げていったうえで、どちらと組むのが当社の企業価値を最大化できるか答申をもらった。結果的にマツキヨのほうが効果を大きく見込めた」(塚本社長)。このような抽象的な答弁に終始し、マツキヨとスギを比べて、何がどう違ったのかを具体的に語ることはなかった。

業界関係者の間では、「ココカラはオーナー色が強いスギの経営姿勢を嫌ったのでは」との見方が大半だ。マツキヨはスギに比べると、創業家一族による株式の保有比率が少ない。マツキヨが創業家の松本一族および関連会社で1割の保有率に対し、スギは創業家の杉浦一族および関連会社で3割の保有率になる。

「マツキヨの清雄社長は表には出てこず、裏でじっくり考えるタイプ。実質的な部分は現場にまかせて、全体のコントロールをしている。自由度が比較的高いので、ココカラは経営統合後もやりやすいのでは」と、ドラッグストア関係会社のあるトップは話す。

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