ココカラ、マツキヨと統合選んだ「曖昧な判断」 売上高1兆円のドラッグストア誕生となるか

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そもそも、マツキヨとスギの両社に経営統合を提案したこともさることながら、特別委員会にその選択の判断を委ねたかのようなココカラの経営姿勢は、異例中の異例だ。

記者の質問に答えるココカラの塚本社長(撮影:尾形文繁)

22日の会見では、記者から「経営判断を特別委員会に託したかのように映る。経営トップである社長が決めることなのではないか」との指摘があった。これに対し、ココカラの塚本社長は笑いながら、「特別委員会の意見を参考にして取締役会で決議したので、判断を委ねたわけではない」と反論した。

スギの社内からは落胆の声も

今回のココカラの判断に対して、スギの社内では「落胆の声が大きい」(スギの中堅社員)という。IR担当者は「2020年度を最終年度とする中期経営計画では、提携・M&Aによる成長も含め、8000億円の売上高を目指している(2018年度売上高4884億円)。今後も他社とのM&Aや提携を模索していきたい」と話す。

ドラッグストア再編の波は、これで終わりそうにはない。ドラッグストアは創業家によるオーナー経営が多いが、後継者問題を抱える会社も少なくない。

「後継者がいないドラッグストアは、今後何らかの決断が必要になってくるだろう」と、前出のドラッグストア関係会社トップは言う。収益が伸びなやむ地方ドラッグストアを巻き込んで、業界の再編機運が高まる可能性は十分にある。

ココカラ・マツキヨ連合の誕生は、業界全体が激変する「引き金」になるかもしれない。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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