「効率的な人」ほど忙しさから解放されない理由 「内在時間」が減っているのかもしれない
釈:それである程度の大きな命の流れを実感したりもしますしね。この人がおったんで、この人が生まれて、だからいま自分がいて……ぐらいのことは思いますからね。こういう時間って、無駄に見えて、本当はものすごく大切なんですよね。
哲夫さんもネタを書かれるようなクリエイティブなことは、それこそ内在時間に余裕がなかったら書けなくなるんじゃないですか?
アイデア出しに8時間かかった
哲夫:今ね、「内在時間」という崇高な言葉をいただいて、そういっていいかはわかりませんが、ネタを作るときはつねにそうだなと思います。ネタを作るってことは、内在時間を過ごしてるんですね。
釈:ネタはどうやって考えていらっしゃるんですか?
哲夫:僕は、アイデアを出す側のほうなんですけど、ほんまに出えへんときは、相方と同じ部屋にこもって8時間ぐらいずっと無言なんですね。その間に何をやっているかっていうたら、僕はずっと頭のなかであらゆることに思いをはせてるんです。で、これはネタになるか、これはネタになるか、ということをずっとやっている。相方も僕がアイデア1個出るまでずっと黙ってるからすごいんですけど、こういうやり方でずっとやり続けてるから、もうそういう形になっちゃったんです。
釈:2人でやるもんなんですね。
哲夫:そうなんです。というのも、僕がアイデアを出すと「イヤや」って言われるんですね。「このネタやろうや」「イヤや」って。で、これ繰り返すと球がなくなるからまた考えないといけないじゃないですか。だから、「もう一緒におったほうがいいわ」ってなって、そこからまたずっと延々無言で考えるんです。それが8時間ぐらいのときもあるんですね。すると、あれっ、これ瞑想してるのと一緒ちゃうのと思ってきて、あらゆることに思いをはせて、ほかのこと一切しないで。