災害時に通信をつなぐNTTの「ICTカー」 避難所の情報もデータベース化

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タブレットを用いて被災者のデータベースを作る。物資の供給状況から健康状態を知ることもできるという

もうひとつの機能が被災者のデータ収システムである。

これは前述のように避難所などでの利用を想定したもの。タブレット端末で、被災者の顔写真と交通系カードや免許証などを撮影して、避難者のデータベースを作る。これによって、避難所を移動したりした場合にも、継続的にフォローできる。物資の受け渡し状況、健康状態なども記録できる。NTTが提供している安否確認サービスとの連携も可能だ。

海外からの関心も高い

2月下旬からは、高知県の南国市と黒潮町でICTカーを導入し、実証実験を開始。今後1~2年をメドにグループ企業、地方自治体などへ導入を目指すという。ただ、現時点では具体的な導入計画は未定。NTTグループには移動基地局車や持ち運び可能な小型通信システムもあるため、地域の特性に合わせた配備計画が必要になるだろう。

 また、このICTカーには昨年11月、巨大台風によって深刻な被害を受けたフィリピン政府も関心を寄せているという。「被災地域の通信環境の復旧に生かせないか、といった要請が来ているところ」(坂野研究員)。国内で実証実験を進める中で、さらなる性能改善を進めていく構えだ。

 

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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